ウチの敷地の中央に位置するツラジロ池。
周りはすべて僕のところの土地だが、この池だけは部落の池だ。
農業用水として谷の部分に土手を築いて池にしてある。
しかし、ずっと下の方に砂防ダムがあるため、もう、何十年も使われないでいたのだ。
そのため、20年ほど池のメンテナンスは行われずに放置されてきた。
だが、昨年と今年、立て続けに豪雨に見舞われたことで、土砂崩れが頻発。
砂防ダムに、大量の土砂が流れ込んでしまい、農業用水として、もしかして足りなくなるかも?という恐れが出てきた。
そこで、20年ぶりにツラジロ池の出番が来るかも?
ということになり、池のメンテナンスのために、池の水を抜くことになったのである。
しかし、しかし、そう簡単な話ではなかった。
池の底には、20年分のヘドロが堆積しており、池の底の排水口を開いても、ヘドロが詰まってしまい思うように抜けていかない。
そこで、パイプで土手の上から排水し、ようやく、ほぼ抜けた。
次に、行うのが、ヘドロの除去だが、そのための大型の排水口があり、それを開けるためのバルブがあるのだが、そのバルブは、水中に沈んでいるのだ。
それが、回せる位置まで水位を下げ、埋もれるヘドロを回避して、バルブにたどり着いて、さらに、20年間回していないバルブを力の限り頑張って回さないといけない。
という試練が待ち構えていた。
そんなこんなで、部落のおじさんたちが何日もかけて水抜きを頑張った結果。
ようやく、全部抜けた。
下に溜まった黒い物体がヘドロである。
そして、テカテカしているものと、周りの茶色いのは鉄分を鉄バクテリアが分解した残骸。
この少し前は、茶色い水が一面を覆っていた。
これ、泥水ではなく、鉄バクテリアの残骸である。
この山に来て、初めて、この茶色い水を見たときは「うぇっ、気持ち悪っ!」と思ったけど、調べてみると、単に鉄バクテリアが居るってことだって分かって一安心。
そこで、沢の水の鉄の含有量を調べてみたんだけど、沢の水自体には鉄は多く含まれていなかったのだ。
多分、一部の鉄を含んだ岩石を通過して来た水だけが、鉄の含有量が豊富になっているのではないか?と、僕は推測している。
まあ、何はともあれ、水が全部抜けてよかった。
これで、新鮮な水で満たせるってこと。
なんだけど、下に溜まったヘドロがそのままでは、どうにも、綺麗な水になるように思えない。
これから、できる限り、このヘドロたちを流す作業になるんだけど、この大量のヘドロを全部流すには、それこそ豪雨でも振ってくれなきゃ流れないだろうなぁ。
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