桜、ほぼ満開になってきた。昨年は、よく見ていなかったのか、あまり咲いていなかったのか、どうも、山桜ばかりではないことに気が付いた。山の上の方は山桜なのだが、小屋周辺は、ソメイヨシノなのだ。生えてきたのではなく、きっと、植えたのだろう。20年ほど経ち、大きくなった桜の木々なのだ。
ってことで、小屋の正面に構える桜は、ソメイヨシノで満開の花をつけている。そこで、気になったのが後ろに生えている木々たちである。
後ろの木々は、常緑樹で年中濃い緑色の葉をつけている。山で常緑樹というのは、あまり歓迎しない木だ。寒い冬でも光を遮ってしまうため、常緑樹の下にはちっとも草が生えないし、葉の色が濃く爽やかさに欠けるというのもある。杉・ヒノキなども冬でも葉が落ちないため、日本の山は不健康そのものである。
そんなわけで、ソメイヨシノが枝を広げられるように、後ろ側に生えている常緑樹を伐採することにした。正面から見ると、桜と同じ高さで、それほど高く見えないのだが、彼らは崖の下から生えているので、実際には、なかなか背が高く太い木なのである。
杉やヒノキなどの針葉樹は、まっすぐに一本の幹だけが伸びて、上の方に枝葉があるのだが、こうした木々は、枝分かれが激しく高さはそれほどないものの、横に広い。そのため、周りの木にひっかかってしまう可能性が高いのだ。落とす位置を見極めて切っていく。
山に来た最初のシーズンは、とてつもなく下手で、やたらといろんなところに引っ掛け、危うく電線を切りそうになったり、引っかかった木を下ろそうとして木の下敷きになりそうだったりと色々あったが、今では、だいぶ慣れ、重大な引っ掛けも無くなったし、危険なことも少なくなった。
杉やヒノキに比べると、木が硬い。なかなかチェーンソーが入っていかないので、よっぽど硬いのかと思っていたのだが、あとで、チェーンソーの刃を見てみたら、いくつか欠けてしまっていた。石に当ててしまったことがあったから、それで欠けたことによって、切れ味が格段に落ちていたんだな。
そんな切れない刃のおかげで、めちゃめちゃ疲れたけど、なんとか無事に伐採完了。
何年か後には、枝が広がり、雄大な花を見せてくれることだろうな。