ヤギ三銃士

ヤギ誕生六日目

二日の午前中に生まれた三匹の子ヤギは、順調に育っている。
すでに、親ヤギにくっついて、そこら辺にフラフラと出かけ、ぴょんぴょんと飛び回る。
元気いっぱいである。

朝から晩まで眺めていても、ちっとも飽きない。
親バカならぬ、じじバカっぽくなっているが、いろいろと問題もある。

まずは、子ヤギのためにと思い、親ヤギのフーちゃんを、ロープに繋がないでフリーにしている。
子ヤギがいるため、走って逃げることもないし、それほど、遠くに行くこともないので安心していたのだが、小屋の近くにある建物の中に侵入し、その中においてあったとうもろこしの袋を食い破り、バクバクと大量に食べていた。

フーちゃんも、子ヤギ達に栄養を与えたいのだろうけど、とうもろこしなど大量に食べたら、発酵しすぎてハラ壊すし、大体、農協で買っているので、正直なところ、農薬だとかがとっても心配なのだ。
子ヤギのうんこが、薄黄色い芋虫みたいな形になっていて、明らかに異常なお乳の状態になっているのがわかった。

とうもろこしは、厳重に保管し、保管小屋にも入れないように対策を取ったが、昨日も、保管庫に押し入り、とうもろこしをカゴに入れて蓋のようにしていたが、それらを破壊し、また、とうもろこしに食らいついていた。
さすがに、もう、フーちゃんをフリーにするのをやめて、ヤギ小屋の中に入れておいた。

子供達も、今はいいが、生後一ヶ月を過ぎれば、かなりヤンチャになってくる。
二年前に、OPERAをここに連れてきたとき、最初の二日間だけ繋いでいたが、あとは自由にさせていた。
その結果、散々、苦労をさせられた。
その二の舞は、ゴメンなのである。
なので、昨日から、OPERA以外のヤギ達は、ヤギ小屋のあるヤギサークルの中で、軟禁状態である。

その代わりにやらなきゃならない仕事が、エサ運びだ。
ヤギ小屋の周辺には、まだまだ、草があまり生えていないため、フーちゃんをフリーにしていても、草のある場所まで行くのに結構な距離があり、子供達を連れながらというのは、なかなか難しい部分があった。

もちろん、子供が生まれたその日から、ヤギ小屋の中には、フーちゃん用に草を入れていたのだが、どうも、柵を閉められてしまうという思いがあるのか、あまり素直にヤギサークルの中に入ってくれなかった。
その代わり、フーちゃんの狙いは、常にとうもろこしと大麦保管庫にあったのだ。

初めは、保管庫の周辺に薪が積まれているので、安全な場所を選択しているのかと、悠長なことを思っていたが、いつも保管庫から、とうもろこしと大麦を取り出すところを見ていて、狙っていたに違いないのである。

ということで、ヤギ達には、人間に飼われているヤギらしく、しばらくの間、囲いの中で、大人しく過ごしてもらうことにした。
そのために、今までの何倍もの草を大量投入しておく。

実は、昨日わかったことなのだが、今までは、オスヤギ(OPERAのこと)は、単なる邪魔者扱いだったが、昨日、フーちゃん以下子供達をヤギサークルに入れ、OPERAも夕方から小屋に入れておき、あまりにも大量に草があるので、OPERAにもお裾分けをして草をあげた。

すると、当然ながらOPERAは、バクバクと食いつく。
と、同時に、フーちゃんも、今までの(草への)食の細さが嘘のように、バクバクと食らいつき始めた。
「あれれ?」
これは、OPERAが安心して草を食べていることで、自分も安心して食べることのできる草なんだと認識したのかな?

ここから理解したことは、やっぱり、みんな一緒がいいって事だ。
OPERAも、子供達に興味は示すが、今のところいじめるような様子はまったくないし、子供達も、多少びびりながらも近づいていくこともある。

特に、オスのノーマンが、OPERAに近づいていくのが面白い。
オス同士なので、いずれはライバルとなる存在だが、今のところは、男同士のなんちゃらとなるのだろうか?

しばらくは、ヤギサークルの中で過ごしてもらうことにして、しばらくしたら、行動は、みんな一緒ということにしたいと思う。
ただ、ヤギ五匹となると、ロープに繋いで移動するというのは、完全に非現実的であるため、何か考えなければならない・・・。
さて、どうしたものかなぁ。


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