余り物を詰め込んで、もう一つ出来たお重

人生初、おせち作り

正月といえば『おせち』
昔は、餅もおせちも自家製というのが当たり前だった。
僕の記憶には、おせちを誰かが作っていたという記憶はないが、祖父母の家で、杵と臼を使って餅をついていた記憶はある。
きっと、台所ではおせちが作られていたのだろう。
それがいつの日にか、餅つきは、機械で行われるようになり、そして、いつからかそれも無くなっていた。

おせちといえば、今では「どこで買うか?」という選択になっていて、自分たちで作るということは皆無になった。
正直言って、僕は、おせちは好きではない。
元々、お正月の三が日くらいは、料理を作るのやめようぜって趣旨で、三日分の料理を作るっていうのがおせちだったと思う。

そのため、日持ちをするものばかり。
それゆえ、あまり、美味しいとは感じられなかった。

おせちの標準的なライナップメニューは、三日間の日持ちを考えてのこと。
何でもかんでも適当に詰め込んでおけば良いわけではない。
ところが、昨今の売っているおせちというものは、何でもかんでも詰め込みパターンばかりのように感じる。

では、三日間の日持ちは大丈夫なのか?というと、そこは結局『防腐剤』である。

僕は、防腐剤に弱い。
特に、ソルビット、ソルビトール、ソルビン酸という、なんとなく『ゾンビ』っぽい名前のこいつらが入っていると頭痛がして、脳の回転が著しく落ち、その後、数時間は行動ができなくなってしまう。
そのため、基本的に、売っているおせちは食べられない。

もちろん、コンビニ食もダメだし、スーパーで売られているお惣菜などもダメ、冷凍の弁当もダメだし、パックに入ったまんじゅうなどもすべてだめである。
今の世では、防腐剤が入っていないものを探す方が大変で、売っている食べ物のほとんどは口にできない。

そんなわけで、お正月に僕が食べるものといえば『餅』と『カニ』くらいなもの。
ただ、おせちは昼だけで、夜はガッツリ普通のご飯ゆえに、ひもじい正月を過ごしているわけではないことは伝えておかなければならない。

そんな僕の食性を見かねて、うちの奥さんが考えたのは、おせちの手作りである。
ただ、家で作るのではなく、おせち作り教室のようなものに参加して、おせちを手作りしようと考えたわけ。
で、そこに僕も一緒に参加。

おせちを作ってみてわかったことがある。
日持ちをさせるための一つの方法が『大量の砂糖を使う』ということだ。
普段、僕は砂糖をほとんど摂らない。
ましてや上白糖は、もう何年も見たことがないほどだったが、そんな、体に悪そうな上白糖がたんまりと入れられていた。
まあ、これはこれで、黒豆も伊達巻きもきんとんもうまいのだが、砂糖の量を見てしまってからは、食べるのが恐ろしくなってしまう。

逆に塩はあまり使われていなかったように思えた。
塩は塩で保存に適しているように思えるが、圧倒的に砂糖を使う料理の方が多い気がした。
これって、昔、砂糖が貴重なものとされていた時代に、お正月くらい砂糖をたくさん使って贅沢しよう!とかの名残なのだろうか?

まあ、それはさておき、十人以上で、何品もの料理を仕上げていき、最後に、お重に詰めて出来上がり。
僕は、午前中でクタクタに疲れて、午後はグッタリ。
朝から夕方まで、ほぼノンストップ、立ちっぱなしでの作業は応えた。

で、出来上がり。
持って行った三段のお重に満タンに詰めたが、余っているものを袋で持ち帰り、もう一つお重を作った。
今度は、僕が詰めて出来上がり。

結果、お重二つ分のおせちが完成。

料理は、自分で作ってみなきゃ、何が入っているのかわからない。
結果、自分が何を食べているのかわからず、自分の体が何でできているのかもわからないということになる。
やはり、一度はやってみて知っておくことは重要だと実感した。

家も同じ。
そのために、山に籠って、木を切って、家を作っているのだが、なんでも一度は『やってみる』というのは、人生において重要だと、改めて実感した大晦日だった。

こちらは、うちの奥さん作


疲れと寒さで、ほぼ死んでる、午後の僕

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