ヤギに限らずとも、草食動物というのは、起きている時間のほとんどを食べることに費やしている。
草だけを食べているのに、牛も馬もキリンも、やたらデカイのは、食って、食って、食いまくっているからだろう。
うちのヤギたちも、朝から食べ始め、昼前に休憩。
午後2時あたりから、また食べ始めて、日が暮れるまで食べ続けている。
実際、お腹が減るとか、栄養が必要とかいうことよりも、食べることが、生きることそのもののようにも感じる。
そのくらい、食べるという行為に時間を使っている、というよりか、食べる以外のことを、ほとんどしていない。
そんなわけで、ヤギどもにとって、食べていないというのは、生きていないというくらい、『食べる』が重要なことなのだろう。
しかし、今は冬。
草がほとんどない。
夏の間は、草が勢いよく生えているので、いろんな場所に連れていっては、草を食べさせていたのだが、夏が終わり、秋が来ると、連れていく場所がなくなってしまった。
とはいえ、食べ物がないわけではない。
ただ、ロープでつないで放っておけるほど、一箇所に集中して草が生えていないということなのである。
ロープに繋がず、放牧させてやれれば、あっちこっちに行って、勝手にいろんなものを食べるのだが、オスヤギのOPERAは、犬のFANと一緒に、山を越えていってしまい、一度目は警察のお世話になり、二度目は山の裏側にある射撃場に侵入して、役場のお世話になってしまった経緯があり、三度目があってはならないので、自由にさせてあげられない。
メスヤギのフーちゃんはといえば、山は超えないが、山を降りていってしまう。
いろんな場所に連れていったことで、おいしい草のありかを覚えてしまったのだ。
うちの山にいるよりも、下に降りていったほうが、おいしい草があることを知っているため、放してやると、さっさと下に行ってしまう。
これでは、とても、自由にはさせられない。
ってことで、今の時期は、ヤギ小屋の中で、日々過ごしている。
そのため、エサを運んでやらないといけない。
現在、山を登った頂上付近で作業をしていて、伐採した常緑樹の葉っぱをヤギ小屋に投入している。
さらに、菜の花やツル科の植物など、この時期に生えている草を持ってきてくれたりするので、それらが主食である。
この冬に、フレッシュな草や木の葉を腹一杯食べられる、草食動物や家畜はなかなかいないだろう。
だけど、これでもかというほどに、ヤギ小屋の中に山積みに投入している。
ヤギたちには、食って、食って、食いまくってもらわねばならないのだ。
食ったら出るのだが、ヤギのうんこは、上質な堆肥になる。
匂いもなく、コロコロとしていて、一日経てば、表面は乾燥して扱いやすい。
夏の間は、草刈り隊として活躍してもらうが、冬の間は、堆肥製造機として頑張って貰わなければならないのである。
ヤギたちにとってみれば、ただ、餌を食って、うんこするというだけの行為なのだが、それが、役に立つのだ。
ただし、畑に侵入して、野菜を平らげてしまわなければなのだが、、、。