カレヤン(Porsche911 Cabriolet)を動かす

12月中旬から、カレヤンを動かしていなかった。
今年の冬は、夏のエルニーニョからして、ラニーニャ現象が発生し寒波が来ることがわかっており、いつ大雪に見舞われるかわからなかったため、カレヤンで出掛けるのを控えていた。

天候は、予想通り各地で寒波が襲来し、大雪になってはいるのだが、僕が住むこの場所には、雪は降れども積もる気配は一向になし。
それでも、いつ大雪が降るかはわからない。
大体、雪の予報が出ている時は、降るには降っても大雪になることはほとんどないが、雪の予報が出ていない時に、大雪になる確率が高い。

東京での大雪

2012年の冬だったろうか、東京にいた頃。
マンションの合同説明会のため新宿へ行っていた。
その日は、雪の予報など、まったく出ていなかったため、なんの心配もなく車で向かった。

説明会が終わりに差し掛かった、午後2時頃だったろうか、雪が降り始めていた。
それは、どんどん強くなり、説明会の終わる3時過ぎには、あたり一面真っ白な銀世界に変わっていた。
その姿を、西新宿の高層ビルから眺めていたことを思い出す。

見るからに危険そうな道路状況ではあったが、車を放置していくわけにはいかないので、とりあえず地下駐車場から出して、家に向かった。
路面状況は最悪で、その中をリアヘビーなポルシェ911、それも2輪駆動のCarreraで走るなど、どう考えても無謀だったが、それでも行けるところまで行こうと決めた。

途中、軽い登り坂で、赤信号に捕まってしまった。
「こりゃ、ダメかもしれない」そう思った通り、青信号になっても坂を登ることができない。
交差点にいた警察官が来て、車を押してくれたことで、坂道は登ることができたが、そこからしばらく走った直線道路で、横滑りが始まりTHE ENDとなった。

幸い、雪が深かったおかげで、ガードレールにぶつかることはなく、寸前で停止。
これ以上、走ることは困難だと諦めて、JAFに救援を要請した。

JAFも要請が多く、そうそう短時間で来てくれはしないだろうと覚悟して車内で待つことにした。
夜中までかかることを予想し、アイドリング状態でガソリンが持つかどうかの心配をしたが、そこまで待つことなく、JAFが到着。
牽引によって自宅マンションまで運んでもらい、無事に、駐車場に入れることができた。

そんな経験を思い出し、今年の冬は、雪の予報が出ていない時でも、カレヤンで遠出しないようにしている。

1ヶ月ぶりに始動

12月中旬から、まったく動かしていなかったカレヤンだが、あまりにも長期間動かさずにいると、バッテリーが上がってしまう。
かといって、遠出も出来ないし、何かの用事で出かけてしまって、その間に降られてしまってはいけない。
ということで、動かすだけのために、カレヤンで出かけることにした。

この日の空は快晴。
雨も雪も降るような様子は微塵もない。
それでも雪に降られた時には、積もる前に戻ってくることができる距離までのドライブをすると決めて出かけた。

国道357号線を南下する。
ほとんど車の通らないワインディングを軽快に走る。
山深い中へ行けば行くほど、徐々に、道端の雪は多くなってくるが、道路自体には雪も氷も残ってはいない。
よそ見をして、道路脇の氷や雪を踏んでしまったら一巻の終わりなので、慎重に、よく見て走る。

目的地は、ちょうど昼ということで、山の中にあるうどん屋さん「なみへいうどん」へ向かった。
順調に、なみへいうどんに到着するも、なんと定休日。
金曜定休って、相当珍しいのだが、定休日であるからには仕方がない。

戻ろうかとも思ったが、せっかくなので、さらに先に進むことにした。
先に進むと、道は二つに分かれる。
そのうちの、もっと山深い方へ進路をとった。

その先は、まさに山の中の村というような場所にたどり着く。
そこにある道の駅には、ほんの1、2ヶ月前にポツンと一軒家で紹介されたブルーベリー農家の、ブルベリーの濃縮ジュースが売ってたのだが、テレビでやってしまったことで、やはり品切れだった。

何か、面白いものはないかと店内をうろつくと、オオスズメバチの蜂蜜漬けという商品が売っていた。
1リットル程度の瓶に、一杯の蜂蜜と、オオスズメバチが十匹ほど入って、お値段15,000円で売られていた。
さすがに、15,000円払って、気持ち悪い蜂蜜漬けを買おうとは思わなかったが、その下の段に、小さい容器に、女王蜂が一匹だけ入った蜂蜜漬けが1,000円で売られていた。
この程度なら、話題作りにいいかと思い、買ってみた。

片道30km、往復60kmほどのドライブだった。
帰路に着きながら、やまあいの田舎の良さを実感する。
東京にいる時、こうしたワインディングを走りたいと思ったら、約2時間かけて箱根や房総半島へ向かわなければならなかった。
着いたとて、前後にまったく車のいない道を走れるわけではない。

それに比べると、ほんの10分も走らないうちに、ほとんど車の走っていないワインディングにたどり着き、快適にアクセルを踏みこむことができる。
そんな環境にいられることは、都会に住むよりも、人間らしさを感じることができる。

-DRIVE:ドライブ, MARK'S LIFE:日常, VEHICLE:車, ポルシェ(カレヤン)