その名は、「鳶」(とび)
鳶というと、鳥の鳶か、ビルの上で作業をする鳶職人を思い起こすことだろうけど、林業の道具にも「鳶」と名のつくものがあるのだ。
それが、コレ。
長い棒に、先の方には、鳥のくちばしに似た金具がついている。
くちばしに似ているので、名前が「鳶」となったようなのだ。
この道具は、こうした丸太を移動したりするものなのだが、職人は、この鳶一本で重い丸太でも自在に移動することが出来ちゃうらしい。
もちろん、ど素人の僕は・・・まったく使いこなせないけど。
それでも、丸太を手前に引き寄せるのに、手でやってると、丸太にひかれちゃうので、柄の長い、この鳶が必要なのだ。
最近しみじみ思う。
道具をたくさん買っているけど、すでに、家一軒分の木材を買う以上の道具を買っている。
いや、一軒どころではない。すでに、三軒分くらいは、道具に費やしてしまっているだろうな。
そう思うと、最低でも三軒は建てないと、元が取れんな。
ハウスメーカーの連中は、「無垢は高い」というが、実際には、無垢よりも、多くの住宅で使用されている集成材の方が高いらしいのだ。
それなのに、なぜ、わざわざ高い集成材を使うのかといえば、無垢では、割れたり、ねじたりしてしまう可能性がり、クレームになりやすいからだそうだ。
そんなことが、無垢材を使わない理由だという。
すべては、消費者の無知から来ている、といっても過言ではないのだ。
さらに言えば、日本の木材よりも、輸入された木材が多く出回っている。
日本には、有り余るほど木があるというにだ。
なぜか?
結局は、安さであろう。
日本の木が、史上最低価格だというのに、それでも、輸入材の方が安価どういうのだから、どうしようもない。
こうしたことは、木材に限らず、牛肉やお米でも同じようなことが言える。
日本産のものは、質で勝負する以外に残された道はないのだが・・・
それでも、林業界は、質を取らず、大型の林業機械で、バッサバッサと二流品の木材を生産し続けているのだ。
木は、自分たちが植えたものを、自分たちが出荷するということはほとんどない。
どんなに早くても、40年程度はかかるものだ。
20歳に植えても、出荷するのは60歳の時という、非常に気の長い職業なのである。
こんなに、気の長いというか、世代をまたがなければ出来ない職業はないだろう。
戦後に植林された木々は、今、伐採時期になっていると言われる。
しかし、もっと待ってもいいのではないだろうか?と思えてきたのだ。
100年越えたら、質で勝負できるんじゃないか?と思うのだが・・・どうなんだろう?
いつものことだが、メインタイトルから、かなり逸脱した。
まあ、いつものことってことで。
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