銀色に光り輝く電柱立つ

電柱が立った。
それも、銀色に光り輝く電柱である。
50年間、いろいろな場所で電柱を見てきたが、光り輝く電柱を見たのは初めてである。
これは、なかなかよい。

この電柱が特別なものというわけでない。
ただ、一般的に見る世にある電柱がコンクリート製なのに対して、うちには、鉄製の電柱が何本か立っているが、この光り輝く電柱も、同じ鉄製である。

それにしても、見た目がまったく違うがなぜか?
それは、他の電柱も、元々は、こうして光り輝く電柱だったとのことだ。
単にくすんだだけとのこと。
10年ほど経過すると、ここにある電柱のようにくすみがピークに達し、光ることはなくなるようである。

連結式『軽量剛菅柱』

鉄製の電柱と聞くと、なんだか重そうなイメージをするが、実際には結構な肉薄で、中は空洞なので軽そうであった。
実際、電柱自体にも『軽量』と記載されていたので、鉄製電柱の中でも軽量タイプなのかもしれない。

今回の電柱の高さは12m。
市街地にある電柱よりも、少し低いらしい。
電柱の高さなど、皆一緒だと思っていたが、10mもあると言っていたので、現場に応じていろんな種類があることを知った。

この12mの電柱は、7分割されており連結して一本の電柱となる。

ドリルマシーン

掘立て建築を行うために穴を掘って丸太を立てるということをしてきたが、法則などはわからないまま適当に掘り、適当に立て、適当に埋めていた。
だが、電柱を立てるという行為に関しては、きっと、何かしらの法則や決まり事などがあると思い、今回、それを知りたかった。

まずは、穴掘りには、ドリルマシーンが導入される。
2トントラックにクレーンが付いており、その脇にドリルが装備されている。
ドリルの回転は油圧を使っているようだ。

こいつがあれば、穴開けはユンボよりも正確な位置に、開けられるのは間違いない。
ユンボでは、どうしても穴を開ける範囲が大きくなってしまうが、こいつは、電柱の太さに合わせて真っ直ぐ垂直に空けられる。

ワイヤーで吊って電柱を立てる

中間よりも低めの位置をワイヤーで巻き、それをクレーンで吊り上げる。
この方法は、僕も作業小屋を建てるときに使った。
だが、これは、人が二人以上いないと出来ない。
電柱を立てるためには、何人もの人たちが来てやっているので当然可能だ。

現在、うちには、7トンのユンボとフェラーバンチャーザウルスロボがあり、丸太を掴んで真っ直ぐ立てるという方法で立てているが、正直、これでは、完璧に垂直に立たせることは不可能なのである。
そんなとき、誰かがいてくれたらとよく思うのだ。
やはり、仕事には人が必要だし、人がいればお茶の子さいさいなことも多いことを実感する。

掘った土を埋め戻して電柱完成

電柱をしっかりと立てるためには、掘った土で埋め戻すのではなく、砂などを投入するものだと思っていたが、掘った土をそのまま埋め戻していた。
現場の人に聞いてみたのだが、ほとんどの場合、掘って出てきたもので埋め戻すと言っていた。
「砂で埋めるのだと思った」と言うと、地盤がかなり柔らかい場合は、そうするとのことだった。

土で埋め戻すと言うのは、動いてしまうように思えたのだが、ユンボで大きく掘ったりすれば、やはり動いてしまうが、ドリルマシーンで寸法ピッタリくらいに穴を開けているため、傾くと言うことはないとのことだった。
そうかぁ、そうだ、やはりドリルマシーンがあるかないかの差は大きいのだと実感。
とは言っても、ドリルマシーンまで買おうとは思わないが。
ちなみに、ドリルとクレーンのついたトラック、1800万円ほどだとのこと。

電線をかける

真新しい立ったばかりの電柱に登って電線を掛けていた。
立てたばかりの電柱は、まだ、土が固まっていないためややぐらついている。

電線は、遠目から見ている分には『ただの線』なのだが、中身は電気を通すために金属。
それなりの重量がある。
それを30m伸ばしているのだから、そこそこの重さが電柱にかかる。

ただでさえ根本が固まっていないぐらつく電柱に電線を掛けていくと言うのは、、、恐ろしい。
もちろん、電線と逆側にはアンカーが打たれているし、電柱は、2mも土の中に埋まっているため倒れる可能性は0%なのだが。
業者さんたちは慣れているのだろうが、僕だったら怖くてとても登れない。

メーター設置、電力供給開始

電柱が立って二日後の朝。
別の業者さんが来て電気メーターの取り付けを行い、屋内に続く電線に電力ケーブルを接続した。
こうして、電力会社からの電気の供給が開始された。

長かった、、、。
こうして電気の供給を受けるまで。

屋内の配線や設備についてチェックされると思い、電気工事士試験のために勉強をした知識を思い出しながら、違反となる点がないか気にしながら屋内の配線、設備の設置などを行なった。
だが、結局、屋内をチェックされることはなかった。
確認されたのは配電盤くらいなものだった。
よかったのか、よくなかったのか?

どんな世界であっても、決められていることと、安全とは必ずしもイコールではない。
ただ、もちろん、決められていることは、完全に安全に結びつくことではあるが、そこまでしなければ安全を担保できないわけではない。
そうした、いわゆるグレーゾーンをどう考えるかと言うことも、現実には必要だ。

もちろん、今回は、完全に規定通りの屋内配線工事を行なった。
ただ、、、

ハイブリッド電力

ハイブリッドインバーターなるものは、電力会社から認められていない。
現在、日本では、ソーラーパネルからの電力を接続する先は『パワーコントローラー』と言う機器に接続し、そこから、電力を売電したり自家消費したりといったシステムが主流である。

ただ、テスラのパワーウォールをはじめ、各社から充電電池とハイブリッドインバーターが組み合わされたシステムは販売されているが、僕が使っているような単体機器では、まだ認められていない。
組み合わされたシステムであれば、メーカー側での試験結果を提出すれば良いらしいのだが、単体機器+ソーラーパネル+バッテリーとなると、それらを組み合わせた上で、ユーザーがメーカーと同じ専門的なテストを行う必要が出てきてしまう。
当然、それは無理だ。

そのため、ハイブリッドインバーターを介さず、電力会社からの電力は、直接、配電盤に入るように電力切り替え開閉器を設置。

ハイブリッドインバーターに電力を入れるのは、あくまで、自己責任のもと行うこととした。
こうして、紆余曲折あった電力事情も終わりを迎え、無事、ハイブリッド電力が完成した。

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