山暮らしを始めて5年半。
四駆軽バン、四駆軽トラは持っていたけど、普通車は、ポルシェ911だけだった。
別に、山道、支障なく走れたけど、なんとなく、どんな時にでも、どんな道でも走れ、遠くにもストレスなく行けるSUVが欲しかった。
候補は、SUBARUフォレスター
スバルの四駆性能の高さは折り紙付き、同じクラスのSUVの中で、最も幅が狭く、最小回転半径も5.4mと最も短く、一番の決め手は、サンルーフがデカイ。
ってことで、もう、僕の中では決まっていた。
でも、一応、試乗しに行った。
試乗したのは、現行型の2L+アシストモーターのやつ。
ほとんどの部分で、なんの不満もなかったが、一つだけイマイチだった部分があった。
それは、、、『遅い』こと。
アシストモーターで、出足はいいけど、後が遅い。
一つ前のモデルは、2.5Lがあったのだけど、現行でなくなってしまい、2L+モーターというやつになった。
モーターは、最初のアシストだけらしく、結局、その後は、2Lエンジンで頑張らないといけない。
なので、高速の追い越しなんかだと、結構厳しそうなのである。
この話を人にすると「そりゃ、SUVなんだから」と言われる。
だが、そんなに遅いんじゃ、遠くへ行くのに疲れるじゃん。
高速は、ススーッと走ってくれんと。
日本車ってのは、いつも、排気量ギリギリなんよね。
なぜ、2.5Lにモーターつけなかったのだろうか?
と、僕と同じように思っている人たちが、きっといたらしく、スバルは、速いフォレスターを『STI』で出してきた。
それが、1.8Lターボモデルである。
こいつは、アウトバックにも乗せられているエンジンで、確かに速い。
でも、、、1.8Lでしょ?
平坦な舗装道路を走るだけなら1.8Lでいいだろうけど、あくまでSUV。
悪路とか、急斜面とか、色々と走るのに、1.8Lは心許ない。
ってことで、泣く泣く、フォレスターは却下となったのである。
そのほかの候補として、カーセンサーを探ると、年式の割に安かった『ジャガー Fペイス』あんまり人気ないんだろうね。
他には『メルセデスベンツ GLA』ただこれは、アウトバックと同じような車高が低い。
なんで、外車ばかりなのかというと、パノラマサンルーフが理由である。
国産で、大型のサンルーフがついているSUVは、フォレスターだけ。
それを選ばないとしたら、パノラマサンルーフになってしまうのであるが、パノラマサンルーフがついている国産SUVは、この時点では、見当たらなかったのだ。
ただ、途中、国産候補が現れた。
それが、ソルテラとアウトランダーPHEVである。
要するに、サンルーフとかを捨てても、EVメリットを取るかどうか?と考えたのだ。
ということで、
アウトランダーPHEVに試乗してみた
少しサイズは大きめだが、走りはいい、速い、オフロード性能も三菱だから大丈夫だろう。
乗り心地は高級車のそれである。
ただ、一点、ハンドルが軽すぎる。
道路からの感触がまるでない。
ただの丸い輪っかで、ゲームのハンドルのようだった。
これで、オフロードを走れというのか?
と、思うと、ちょっと運転するのが怖いと感じた。
三菱と日産が共同で開発しているとのことだが、日産のスタイルに寄っているのか?
力の差で、三菱の強みが生かされていない車に仕上がっているように思えた。
もちろん、日産は、日産のコンセプトがあり、それはそれで良い。
日産が、すべてを日産車として作れば、トータルバランスは整うのだろうけど、三菱車に日産を入れると変な感じ。
僕は、昔、パジェロに乗っていたのだが、その当時、三菱は、ラリーで活躍。
それがあって、三菱のオフロード性能を評価していたのだが、今のアウトランダーは残念な感じであった。
さて、いよいよ、選択肢が減ってきた。
半導体不足によって、中古車価格がぐんぐん上がってくる。
半導体不足解消を待つつもりだったが、その間も、カーセンサーで出物をチェック。
ポルシェ カイエンは、一応、最初からチェックはしていた。
フォレスターなら、濃い緑色か、濃いベージュなどのミリタリー色がいいが、カイエンなら断然、赤だろうと思っていた。
でも、カイエンの赤は、なかなか出てこない。
それも、条件として、GTS、パノラマサンルーフ、エアサス、スポーツエギゾーストとなると、ほぼない、というか全くない。
一つ前の、フォレスター2.5Lモデルも候補だったのだが、中古価格が上がり、中古と新車の価格差がほとんどなくなってしまった。
そうなると、中古を選ぶのが、もったいない気がしてきていた。
そんな中、去年(2022年)の9月頃、カーセンサーに現れたのが、今回のカイエンである。
広島県福山市に出た『カイエンGTS』白
ボディー色が『白』ということ以外は、オプションなど、僕の条件にピッタリ。
さらに、18WAYシートが付き、走行距離は23,000km
懸念事項は、ボディーが『白』ということと、内装の足元部分が、紺色のキルティングらしきものが施行されていること。
内装が『赤』一色で統一されている中、なぜか、足元が『紺』という、ちょっとバランス悪いかな?というところが懸念材料だった。
お気に入りに登録し、しばらく放置。
ほかの車が、ある程度の期間を経て、掲載終了となる中、このカイエンは、ずっと残り続けた。
車両が悪いわけではない。
ただ、たぶん、販売店の地域が、なかなか売れない原因ではないかと思った。
販売店は、広島県福山市にある。
どんどん売れていく車両の販売店は、やっぱり、都市に近いところである。
福山市は、大阪とも離れているし、福岡とも離れている、広島市は近いには近いが、やはり、東京・名古屋・大阪・福岡などの比ではない。
しかし、僕には、都合が良かった。
愛媛からは、瀬戸内海を挟んで、すぐそこである。
2ヶ月ほど経過しても、まだ売れ残っているので、ちょいと見に行ってみることにした。
綺麗な白に、思ったほど派手ではない、真っ赤な内装。
そして、懸念していた、紺色のキルティングのフロアだが、実際に見ると、まったく気にならない。
元々、これなのか聞いてみたところ、このショップで施行したとのこと。
形を合わせて加工し、上に乗せているだけなので、剥がせば取れるとのこと。
まあ、気にならないし、汚れ防止にもなるし、キルティングなので感触もいい。
試乗させてもらうと、、、速い!
さすが、GTS、それも、Type958の後期モデルなので、3.6Lツインターボである。
以前、カーシェアサービスの『Anyca』で、Type958前期のカイエンSを借りて乗った時は、もっさりとした走りだったが、コイツはキビキビと走る。
ググッと、候補に躍り出たが、まだ、ボディー色『赤』にこだわっていたため、保留にして家路についた。
それからもカーセンサーで、車チェックの日々が続き、ある日、赤のカイエンが登場した。
千葉である。
オプションも、僕の条件以上に、ビッシビシに付いている。
早速、問い合わせて、奥さんのところ行きつつ、車も見にいく段取りをつけて、4日後には、ショップに居た。
しかし、売り切れ御免。
早いなぁ、、、さすがに関東は早い。
首都圏3,000万人が、当日アクセス可能なのだから、広島とは比較にならない。
そして、運命の日は近づいてくるのだが、そのきっかけとなったのが、なんと
おみくじ
である。
おみくじにこう書いてあった。
「派手を好まず実直な道を選ぶことが成就の近道」とのこと。
『赤』じゃなくて『白』でいけということか?
と、思ったが、いやいや、これは、車のことじゃないでしょ。
引いたのは、少し前だし、、、
ってことで、改めて、おみくじを引きに行った。
で、開いてみると、、、
「まったく、同じおみくじじゃねーかー!」
ってことで、これは、神様からのお達しだと確信。
赤ボディーはやめ、白ボディーを選ぶことにして、お買い上げ決定となったのだ。
納車予定日は、12月23日(金)
当日、雪。それも、大雪。
とりあえず、バスで広島県福山市まで向かうため、最強四駆軽トラのキャリーで麓まで降りる。
キャリーのタイヤは、バリバリオフロード用のYOKOHAMAジオランダーなので、雪が降っても余裕で走る。
さらに、現行キャリーには、新型ジムニーと同じ機構が装備されていて、四駆の走破性は、ジムニーと同等レベルであるのだ。
ってことで、僕自身は、余裕で麓に降りているけど、どうやら、普通車の夏タイヤで出てきている人たちがちらほら。
危ないったらない。
バスは、時間通りには来ない。
さらに、待てど暮らせど来ない。
1時間半待って、帰った。
バスというのは、幹線道路ではなく、住宅街に近い裏道を、あの巨体で走るため、そこに、一台でもスタックした車両がいたらアウトなのだろう。
きっと、まったく動けない状態が続いていたはずだ。
逆に、乗らなかったのが正解だったということである。
納車は、2日後の25日に延期し、バスで向かった。
麓のバス停から乗り、松山市駅へ、松山市駅から今治へ、今治から福山市へ。
3本のバスに乗り、およそ5時間かけて到着。
たまには、バスの旅も良かった。
今治では、なんかのイベントをやっていて、次のバスが来るまでの間、のんびりとランチをすることができた。
さらに、いつもなら運転していて見ることのできない景色も、ゆっくりとバスの車窓から眺めることができた。
特に、しまなみ街道から見る景色は素晴らしかった。
本当は、この納車旅の動画も撮影したのだが、直前に借りたInsta360で撮ったのがいけなかった。
操作方法を間違えていたのか?理由は定かではないが、まったく撮影できていなかったのである。
車を受け取り、帰路に立つ
911も疲れなかったが、カイエンはもっと疲れない。
シートが18WAYで良かった。
これは、カイエンをアジア人が乗るのには、完全に必須オプションであることがわかった。
以前、Anycaで借りたカイエンSにはついていなかったのだが、そのカイエンSで、山道を走った際、サイドサポートに体が届いておらず、カーブで体が揺られ、疲労が蓄積したのだ。
しかし、18WAY(たぶん14WAYでも良いと思われる)シートのおかげで、体にジャストフィットさせることができ、体が揺らされず、快適に走ることができた。
2日前の大雪は、すっかり溶け、、、たのは、麓までで、山にはまだ雪が残っている。
特に、僕が住んでいるところは、ほぼそのまま残っていた。
山の麓まできてから、オフロードモードに切り替え、山を登っていく。
まあ、まあ、余裕である。
そこから、敷地内に。
いけるだろうと思った、最後の最後の登りで、、、
「ズリッ!」あっ、やべー
必死にブレーキを踏むも、ABSがガタガタというだけで止まらない。
そのまま下り、さらに、崖に向かって横に滑っていく。
「マジやべー」
と思いながらも、何もできずに止まるのを待った。
タイヤが路肩にかかり、土の上を踏んだ時に、ようやく止まった。
土で抵抗が増し停車することができたのである。
でも、ほとんど落ちている状態。
このままでは、上がれないし、これ以上に落ちていく可能性もある。
「納車当日に、なんてこった!」
眠れないので、夜中に、救出作業
帰ってきた時には、すでに夜だったため、救出は、翌日に行うことにしたが、気になりすぎて眠れん!
ってことで、ヘッドランプを点け、とりあえず、落ちていかないように、ロープを張り巡らせた。
さらに、林内作業車のジャガくんを持ってきて、ウインチに繋ぐ。
明るくなるまで、雪かきと、氷割りに励み。
なんとか、滑る要素を除去していった。
そしていよいよ、救出作業開始。
車に乗って、林内作業車のリモコンで、ウインチを操作する。
その様子は、Youtube動画で見れるので、見てみてほしい。
今思うと、この、納車されたばかりの車を、ウインチで引っ張るというシーン。
デジャブなのに気がついた。
頭に浮かんだ、その時は、「雪の中、車を取りにいく訳ないじゃん!」と思ったのだが、現実に、そうなったのだ。
無事に、救出することができ一件落着。
今まで、何台もの車両を救出してきたが、自分の車、それも納車されたばかりとなると、緊張度は桁違いだった。
カイエンGTSの実力は?
広島県福山市から砥部町までのドライブは快適そのもの。
いつもなら1時間に1回程度の休憩をするのだが、カイエンはその必要がないほど疲労しない。
さらに、当然ながら、高速走行性はピカイチ。
ゆっくり走ってもノンストレス、追い越し車線での加速も十二分に速い。
というか、着座位置が高くて、ツインターボで引っ張られるので、若干、怖いほどである。
ワインディングも走ってみた。
その様子も、Youtube動画にUpしてある。
今までのタイヤが、かなり減っていたので、速攻、タイヤを変更。
今までは、ミシュランのパイロットスポーツ4SUVというスポーツ性能が高いタイヤだったが、今回僕が選んだのは、
ブリヂストン ウェザーコントロール(オールシーズンタイヤ)
である。
雪で滑って怖い思いをしたので、サマータイヤという選択肢はなかった。
じゃあ、スタッドレスでしょ?と、思われるかもしれないが、サマータイヤとスタッドレスを持つということは、ホイールを追加購入する必要があるということ。
そうなると、ざっと40万円の追加費用がかかる。
もちろん、それにプラスしてタイヤ代。
今までのタイヤがダメなので、スタッドレスとサマータイヤの両方で、ざっと、タイヤ代40万円。
合わせて80万円の出費。
ってことで、オールシーズンタイヤを選択したという訳なのだ。
オールシーズンタイヤは、サマータイヤに比べてゴムが柔らかい。
さらに、溝が深いため、走りがぐにゃぐにゃしやすい。
舗装路面のカーブでは、サマータイヤと比べて踏ん張りが効かないのだ。
それでも、普通に走っている分には、なんら問題なし。
ただ、飛ばしたり、カーブに速い速度で入ったりしなければいい。
ゆっくり走れば、オールシーズンタイヤでも問題なしである。
ということで、カイエンGTSが来たぞ!って話だったけど、
911と比べるとどうなのよ?
という話でいうと、舗装路面では、911の楽しさが100点だとすれば、カイエンは20点というところ。
楽しいという感覚は、ほぼない。
ただ、不足なしというくらいである。
ただし、カイエンを選んだ理由は、舗装路面を楽しく走るためではない。
どんな道路状況でも、問題なく走ることができるためである。
911では、雪に降られれば終了である。
もちろん、土の上もまともに走れない。
その点、カイエンであれば、ほとんど、どんな道でもいける。
多くの人は、カイエンのオフロード性能の高さを知らないだろうが、カイエンには、ランクルやラングラーなどのクロカン系オフロード車に装備されている『デフロック』なる機能が装備されているのである。
SUV系で、デフロックが装備されている代表的な車は、ベンツ ゲレンデ、エクストレイルなどにも付いているらしい、、、あとは、知らないけど。
まあ、なかなか付いていないのだ。
ゲレンデなどと比べれば、オフロード性能は低いだろうが、かなり、オフロードでもいけるように作られているのである。
ってことで、まだ、オフロードは怖くて行くことは出来ていない(自分の山に、バリバリオフロードがあるけど、怖くて行けない)
が、いずれチャレンジしたいと思っている。
オフロードであれば、911が0点に対し、カイエンなら、911よりも良いのは当然である。