原木しいたけの本伏せ完了

昨年末、伐採したコナラに、しいたけ菌を打ち、仮伏せ状態にしておいた。
その仮伏せしたホダ木を、先日、本伏せした。

仮伏せと本伏せの違いというのは、仮伏せは、冬の寒さからしいたけ菌を守ることと、他の菌が繁殖しない寒い時期に、木全体にしいたけ菌を回しておくこと。
本伏せは、菌が回ったホダ木をしいたけが発生しやすい環境に配置すること。

仮伏せは、菌を打った原木を積み重ね、その上に保温用に杉の枝葉をたっぷりと被せておいた。
本伏せは、杉やヒノキが密集する場所に置くのだが、二年前に初めて原木しいたけ栽培のために、本伏せしておいた場所は、木々は多いが、上空を杉やヒノキの葉で、さほど覆われていない場所だったため、雨が当たり過ぎた。
そのため、出来たしいたけは水を吸ってしまい、びしゃびしゃになっていることが多かった。

今回は、なるべく上空を杉やヒノキの葉が多い場所を選んだが、それでも、密集とまではいかない。
葉が密集しているような場所というのは、結局、枝打ちも間伐もせずにほったらかしてある、いわゆる放置林である。
放置林では、葉が上空を覆っているので、地面に光は届かず、草は生えない。
草が生えなければ、虫も寄り付かない、さらに、動物も寄り付かない、餌となるようなものがないためだ。
そして、虫や動物が寄り付かなければ、土も肥えない、そして、沢や川に養分は流れず、虫もいないため、魚なども育たない。
その影響は、海にも及び、海のプランクトンは繁殖せず、そのため、海の魚や貝なども育たないのである。

そんな放置林でも、唯一役に立つのが、原木しいたけ栽培なのだ。

僕の山も、半分は放置林であるが、それでも、さほど、密集していないため、今回の本伏せのやり方を少し工夫してみた。
ホダ木を縦に置くのではなく、横に寝かせることにしたのだ。
それも、地面に横置きではなく、杭を立て、梁を渡し、そこに、横置きで並べた。
しいたけの収穫には不便だが、ホダ木に雨は当たるけど、ホダ木の下に生えてきたしいたけには雨が当たらない。

これなら、しいたけが雨にぬれて水を吸ってしまう心配が減る。

もちろん、上に生えてきたしいたけに、雨が当たってしまうが、それはそれで仕方がないし、しいたけはあまりにも大量に出来てしまうため、半分は廃棄するということでもなんら問題はないのだ。
出来てきたものを廃棄するというと、食料を捨てるというように聞こえ、何か悪いイメージに捉えられそうだが、現実には、土やホダ木、雨などから栄養が吸収され、しいたけが出来る。
それを捨てておけば、それは、また生まれた場所、土へと帰っていくと言うだけ。
単に、生まれた場所に戻すと言うだけなのである。

戻してあげれば、それは、また養分となって、次に生まれる植物の栄養になる。
そして、木が育ち、その木を切って、菌を打ち、またしいたけが出来てくる。
そうして循環していくのだ。

僕が山に住み始めて、わかったことの一つ。
無駄になるものは何もなく、全ては形を変えるだけ。
ってこと。

今回のホダ木から、しいたけが出来るのは、来年の冬から。
その時に、今回の本伏せのやり方が、うまくいくやり方だったか、そうでないかの結果が出る。

-FARM:畑, MARK'S LIFE:日常, SEASONAL FOOD:季節の食べ物
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