梨の花

近頃、住んでいる場所から、標高で200m、道に沿って600mほど上がった場所で作業をしている。
軽トラで上がれるようになってから、気軽に上まで行けるようになったのだ。
うちの軽トラのトラさんと、軽バンのJくんには、ゴツゴツタイヤを履かせてあり、未舗装路も難なくいけるようになっている。

一時、トラさんがパンクしてしまった際、行けるところまで行ってみようと思い、Jくんで登ってみたら、頂上まで到達してしまった。
軽バンで登れるってことは、四輪駆動車なら、もうなんでも登れる可能性大である。
ただ、大きい車体になった時、ヘアピンを曲がり切れるかどうかという問題だけだが、こちらも今後、改善予定。

それはさておき、その頂上に行くと、梨の木が一本だけある。
昔の話を聞くところによると、この辺りで梨畑をやっていたそうなのだ。
他の梨の木は全部抜いてしまったのかわからないが、一本だけ残っているというのは、たぶん、自家用に一本残しておいたのだろうと思う。

それが、何十年もの時を経て成長し、収穫するための梨の木の姿とはまるで違う様相を見せている。
まるでクリスマスツリーのように、空高くそびえ、綺麗な円錐形の木に育っているのだ。

そこに咲き誇る真っ白な花、それを美しく見せるのは、薄い黄緑色の葉、そして、真っ青な空と、まるで姫を守る部下たちのようにそびえる、背景に見える木々たち。

梨の花など、なかなか身近に見ることがないが、、、

そういえば、小学生だった頃、家の近くに梨畑があったのを思い出した。
収穫の季節になると、たまにくすねていた、、、かな?

だけど、いつも青いネットに囲まれていて、あまり綺麗という印象はない。
さらに、梨の花の記憶もない。

木の高さは、手の届く範囲に制限されて2mほどに横に枝を張られていて、花はその上に咲いていたのだろう。
だから見えなかったのだと思う。

そう思うと、世の中にある梨の木の姿というのは、横に長く枝を張られた背の低い木しか見ることはないのだ。
こうして、天高くそびえ立つ梨の木を見ることは、ほとんどあり得ないということになる。

山に来て、多くのプライスレスを経験してきたが、この梨の木と美しい花を見ることができることも、プライスレスな出来事なのだな。

-MARK'S LIFE:日常