髪を切った。初の奥さんカット

50歳手前になって美容院や床屋さん以外で、髪を切られる機会が訪れるとは思いもよらなかった。
年末に、髪を切りに行こうかどうしようかと迷っていて、結局、行かなかった。

髪が単に長いのはいいのだが、伸びてくると整わなくなってくるのが困る。
で、年始となると、ダラダラボケボケと過ごしていると、どうにも浮浪者っぽく見えてしまう。

普段は、作業をする際にタオルを巻いたり、ゴムで縛ったりしているので、気にならないが、年末年始は何もしていない。
そのため、朝から晩まで浮浪者頭のままである。
あまりのボサボサ加減に、うちの奥さんが「私が切る!」と言い出した。

最初は「髪切りに行ってくれば〜」から始まり「1000円カット行ってみたら?」になり、そのうち「普段、タオル巻いたり、縛ってて、どうでもいいなら私に切らせて」ときた。
「ちょい、ちょい、ちょい、ちょい、ちょっと待て!!」一応プロの方々と、一度も髪を切ったことのない素人では、どうでもいいレベルが違いすぎるだろ!
と、思ったが、結構長くなってるし、切ってからでも、美容院や床屋に行って整えてもらうこともできるだろうと考えて、奥さんの要望に答えることにした。

さて、運命の時を迎える。
新聞紙を床に敷き、ゴミ袋をかぶっていざスタート。
ヘアカット用のハサミはないので、裁ち鋏と普通のハサミ。
あとは、スキバサミとクシの中にカミソリのような刃が付いている髪切グッズがあった。

奥さんは、まず、ハサミを持って前髪をジャギ!っと切り落とした。
ジャギ!ジャギ!ジャギ!
心の中で僕は『そんなに勢いよくいって大丈夫かいな?』と思ったが、案の定。

「ぎゃははははー!」と笑い出す妻。

やっぱり、、、見事失敗だったらしい。
床屋や美容院のように、前に鏡がないので、僕には全く見えていないのだが、予想はついた。

そして、奥さんは一言「切りすぎた」
・・・・だよね。

切ってしまったものは仕方がない。
うちの奥さんのいいところというか、僕に対してだけそうなのかわからないが、過ぎたことにはクヨクヨしない。
さっさと、次へ進む。

前髪の失敗を教訓にして、普通のハサミではなく、スキバサミに持ち替えて、やや慎重にサイドをカットし始めた。
飲み込みが早いのか、今度は、なかなかうまくいっている。
サイドとバックを切り終えて鏡で見てみると、、、あらっ、なかなかうまく切れている。

切り過ぎてしまった左の前髪をカバーするように、右前を慎重にカット。
「どうやって切ればいいんだろ?」と、試行錯誤しながらも、前髪も完成した。

見てみると、、、「あれ、あれ、なんか、うまく切れてる」
もちろん、プロとの差はあるのだろうけど、ここが変とか、あそこがおかしいとかいうことはない。

『ヤバイ、これでまた、変な自信が付いてしまったのではないだろうか、、、』

-MARK'S LIFE:日常