ヤギウンコ回収

丘の上にヤギ小屋を作ってから、一年間ヤギたちが生活した。
そのヤギ小屋から、ヤギウンコと、敷床になっていたカヤの混じった、いわゆる堆肥を回収した。

誤算だったのは、ヤギ小屋へ入る入り口の前に、トイレを作ってしまったことで、軽トラがめちゃめちゃ出入りしづらくなってしまったことと、ヤギ小屋の屋根の高さを、人が立てる程度にしたことで、2トンユンボのクボちゃんが入ることが出来なくなってしまったことである。
それでも、なんとか、クボちゃんの腕を伸ばして、地面を引っ掻いて回収した。

一度、シャベルで頑張ってみたが、人力では、とても土に埋まっているカヤを切ることが出来ず、まったくすくい上げることが出来なかったのである。
軽トラのトラさんを、ギリギリまで小屋の入り口に寄せ、クボちゃんで引っ掻いてすくったヤギウンコを、トラさんに乗せていった。

最初の一杯は、下の畑へ投入。
次の一杯は、ヤギ小屋下の畑へ投入しようと思ったが、奥の方にはトラさんが入っていけないため、一輪車で何度か運んだが、やっぱり、人力はキツい。
途中で諦めて、結局、二杯目の残りと、三杯目は、下の畑の隣へ積んでおくことにした。

ヤギウンコを掘り出すと、ゴロゴロと出てきたのが、カブトムシの幼虫。
最近、ニワトリが、エサを求めず、生えている草も食べないと思ったら、こんなところに大好物がゴロゴロしていたのである。

ヤギとニワトリとカブトムシの幼虫で堆肥ができる

ヤギウンコは、そのままでは、堆肥にはならない。
ウンコを土の中にいる微生物が分解して、初めて堆肥になる。
当然、敷き床にしているカヤは、そのままではまったく堆肥にはならず、ヤギウンコにくっついている微生物と、ヤギオシッコの水分によって微生物が活性化して、カヤも堆肥化される。
しかし、そこに、カブトムシの幼虫がいると、このスピードは、圧倒的に早まる。
幼虫が、ヤギウンコやカヤをガシガシと食べてウンコすることで、より、微生物が分解しやすい状態になるのだ。

ニワトリの役目は、残飯処理である。
カブトムシの幼虫ばかりを食べてしまうのでは、逆に役立たずであるが、残飯を食べて、ウンコをすることで、残飯を堆肥化するのに役立つ。
まあ、残飯そのものを土に埋めておくだけでも、結局は、ミミズなどが食べて、ウンコをして、分解されるので、ニワトリは居なくてもいいのだが、、、まあ、いいや。

養分過剰で、異常成長

ヤギウンコは、土壌にゆっくりと効く堆肥となるのだが、急激に劇的に大量に効いてしまう養分がある。
それが、オレウンコである。
オレウンコとは、その名の通り、俺のうんこのこと。

便槽に溜まりに溜まった、俺のソレ、約500リットルを畑に投入したところ、流れたあたりの植物が異常に成長してしまった。
一般的に50cm程度に伸びるシソ科のエゴマが、1m以上に伸びて、人の手ほどの大きさの葉っぱがなった。
枝豆は、やたらと濃い葉っぱをつけ、サツマイモは、ツルばかり長々と伸びて、完全にツルボケ状態になっていた。
養分がありすぎると、植物は、なんとかして子孫を残そうと言う気にならず、ボケボケと茎や葉っぱばかりが成長してしまうのである。

この現象は、ビワにも柿にも現れた。
今年のビワは、実がほとんどならず、柿に関しては、弱かったのか、蛾の幼虫とカメムシにやられまくっている。
やはり、植物も、動物も、人間も、甘やかしは、よくないのであろう。

ここで学んだのは、土壌に対し、養分を適切な量に調整していかなければならないと言うことである。
まあ、なんでもそうなのだが、多すぎても、少なすぎてもダメと言うことなのだろう。
人間界では、お金は多ければ多い方がいいと考えられているが、実際には、使うスキルがない状態で、大金を手にしてしまえば、身を滅ぼすのがオチなように、お金も、多すぎても、少なすぎてもダメなのだろう。

知らない間に、スイカも出来ていた

巨大に成長していた、エゴマを刈ったら、その下から、小玉程度に膨れたスイカが現れた。
スイカというのは、養分が多く必要なようで、エゴマやサツマイモにとっては、異常なほど多い養分であっても、スイカには、足りないくらいだったのだろう。
それでも、今までで、一番大きく育ったスイカである。

ミミズコンポストに、オサラバ

東京から持ってきたミミズコンポスト。
今まで、一応、残飯を入れて使ってきたのだが、もうやめることにした。

東京では、夏になっても、ミミズコンポストの敵である、ミズアブの幼虫が出現することはなかったが、やはり、山ではそうはいかなかった。
夏になると、大量のミズアブの幼虫に、コンポスト内が占拠されてしまう。
今までは、鯉の餌にしたり、烏骨鶏やニワトリの餌にしたりしていたが、今年の夏は、そんな面倒なことはやめて、ほったらかしておいた。

今回、ヤギウンコの余りを塚にしたのだが、そこに、ミミズコンポストを投入しておいた。
コンポストに使っているシマミミズは、普通の土では生きていけないらしいが、もしかしたら、ヤギウンコの中なら生きていけるかもしれないと思ったのである。
ミミズたちが、ヤギウンコとカヤを食べて、分解してくれたら、堆肥化に大きく貢献してくれることになる。

今では、残飯はニワトリが食べているし、ニワトリが食べなくても、土に埋めておけば、数日で分解されてしまうのだから、山に来た時点で、すでにミミズコンポストの意味は無くなっていたのだ。

ヤギウンコの威力によるものなのか、なんか、雑草がすごいんだけど・・・

ヤギ小屋の周辺の雑草が、今年はすごい感じがする。
ヤギたちが、小屋の中以外で、一番多く過ごしていた辺りなのだが、7月中旬から、山の上に行っていることで、ヤギ小屋周辺の草を食べていないために、雑草の伸びが異常なのだ。
これも、ヤギウンコの力ではないか?と、感じている。

そう思うと、7月中旬からヤギたちがいる、山の上には、ヤギウンコが散乱しているのだが、、、回収したの方がいいのかもしれない?と、思えてきた。
オレウンコの威力も、ヤギウンコの威力も絶大なのだろう。

今まで、肥料なしで野菜を育てるということの大変さを味わってきたのだが、ここにきて、ウンコの堆肥パワーを実感した。
今度は、この堆肥パワーをうまく、多すぎず、少なすぎないように適した状態で、土の力にしていかなければならなのだが、さて、さて、それが次の課題である。

-FARM:畑, MARK'S LIFE:日常