ヤギのフーちゃん、子供産む。しかも三匹

ヤギのフーちゃんが、出産した。
オスヤギのOPERA(オペラ)と合体してから、149日目である。

ここ最近、フーちゃんの食欲が半端なかったので、しばらくの間、900m離れた炭焼き小屋周辺で草を食べさせていたのだが、一昨日は、いつもと様子が違って、帰りたそうに、メーメー鳴いていた。
「きっと、もう生まれそうだって事だな」と悟り、早めの時間で切り上げて帰ろうかと思っていたら、いつもなら車に乗り込むフーちゃんが、とぼとぼと歩いて山道を登っていく。
どうやら、自分の足で歩いて帰るようだ。
OPERAも一緒にゆっくりと家に向かって歩いていくので、そのまま、のんびりと車で後を追い、家に帰ってきた。

「いよいよ、明日って可能性が高いな」
そう思いながら、夜を過ごした。

翌朝(昨日の朝)、出産の兆候である『メスヤギがメーメー鳴く』という現象があるか確認しに、6:30に、ヤギ小屋に行ってみた。
すると、フーちゃん、か細い声で「メ〜、メ〜」と鳴いている。
「こりゃ、今日だな」と確信。

しばらく様子を見ていたが、今すぐというわけでもなさそうだったので、いったん離れ、フーちゃんが自由に動き回れるように、小屋の囲いの戸を開け、踏ん張れるように首輪を外しておいた。

それから2時間後、フーちゃんがフラフラと歩き回り、産む場所を探している。
一体、どんな場所が適切なのか?こっちは、さっぱりわからないが、小屋に入ってみたり、ガレージの中に行ってみたり、いろんなところをふらついている。
最も安心できる場所といえば、小屋の中だろうが、あまり適しているとはいえないようだった。

9時過ぎ、どうやら、ヤギ小屋の少し外、周りを薪棚に囲まれた場所に落ち着いたようで、しばらくそこにいた。
出産の兆候が見え始めたので、カメラをスタンバイ。

撮影を開始して、しばらくすると、フーちゃんが座り込んで、

「メ〜〜〜!」

という叫びと共に、第一子が誕生した。

その後、少し時間が空き、いつの間にか第二子、すぐ後に、第三子が誕生。
なんと、三匹の子ヤギが生まれた。

第一子は、真っ黒なオス。
第二子は、ちびのメス。
第三子は、フーちゃんそっくりのメス。(行方不明になった、チャーそっくりと言う方が適切かもしれない)

「でかした、フーちゃん」

三匹いると、ママはとっても忙しそう。
三匹を交代に舐めるのだが、「あんなにいつまでも舐めてるんじゃ、ベロが筋肉痛になっちゃうよ」と思えるほど、いつまでも舐めていた。

草食動物は、すぐに立つと言う印象だったが、そんなに、あっという間に立って歩くと言う感じではなく、立っては転び、立っては転びと、トライアンドエラーを繰り返しながら、ようやく立って歩く、しかしすぐに座り込むと言う具合だった。
テレビなんかだと、尺の関係上、生まれてすぐに歩いている印象だったが、実際の現実を、リアルに見れたのは大きかった。

実際、“リアルに見た”と言うが、そこは、フォトグラファーのサガ。
最近では、一般の人たちも、撮影に必死で、実際のものを見ていると言うよりも、液晶画面を見ていることの方が多いが、まさに、小さな液晶で見ていて、リアルに見ている時間は少ない。

そこは、本当に、残念なところなのだが、一応、こんな貴重な瞬間を記録しておかないわけにはいかないので、泣く泣く、液晶画面で我慢する。
たまに顔を上げて、リアルな光景を、目の水晶体に焼き付けていく。

早速、名前をつけた。

第一子の真っ黒なオスは、僕の好きな映画『ノーマンズランド』から【ノーマン】と名付けた。
この映画は、チャーリーシーンが主役で、ポルシェ専門に盗みを働く車泥棒の話だ。

この当時、ポルシェの中の最高級は、通称『930Turbo』ポルシェ911ターボである。
それも、ブラックの911ターボは、今でも、特別な存在である。
日本でも、漫画『湾岸ミッドナイト』にブラックバードとして登場する。
真っ黒なボディーを身にまとった彼に相応しい名前だ。

それならブラック〇〇でも良いと思うかもしれないが、それでは芸がない。
黒いから『クロちゃん』とか付けてしまう、浅はかな名付け方になってしまう。

第二子のちびのメスは、これまた僕の好きな映画『セント・オブ・ウーマン』から【セント】とした。
顔を見ていると、なんとなく聖闘士星矢(セイント星矢)に見えてきた。
ピンと立った耳が、聖闘士星矢の被り物っぽい印象を与える。(そう思うのは、きっと僕だけだろうが)
『セイント』でもよかったが、四文字と言うのは言いにくいので、三文字であるセントにした。

第三子、フーちゃんやチャーに、そっくりなメスは、こちらも僕の好きな映画『セブン』から、そのまま【セブン】とした。
映画『セブン』は、かなり暗い映画なのだが、それでも、やっぱり『7』と言うのは、ラッキーセブンなので、よしとした。
僕が18歳、19歳と乗っていたのも、RX-7だしね。

さらに、顔を見ると、どうも、ウルトラセブンに見えてきた。
これは間違いなく『セブン』で良いだろうと確信した。

夕方、ヤギたちを見に行くと、ベトベトなのはすっかり舐め取られていて、ふさふさの毛が体を覆っていた。
ただ、ブヨの仲間のヌカカが凄くて、ちょっと心配。
毛が生えている部分は大丈夫そうなのだが、お尻周りが結構やられていた。
でも、まあ、自然界では、ごく普通のことなのだろうから大丈夫だろう。きっと。

フーちゃんは、ヤギ小屋の囲いの中に入ろうとしない。
囲いの中に入ると、僕が柵を閉めてしまうので、そうなると、朝、僕が柵を開けるまで、ご飯が食べられない。
とはいえ、囲いの中には、大量に草を置いているのだが、いろんな種類の草を食べたいのか、いざと言うときに、子供を守れるようにしたいのか、わからないけど、囲いの中に入らないので、柵を開けっぱなしにしておいた。

心配しているつもりはないが、やっぱり心配なのか、意味なく午前3:30に起きてしまった。。。( ̄▽ ̄;)

-ANIMAL:動物, MARK'S LIFE:日常