28日間のNew Yorkを振り返る その2

帰国して2日が経ちました。
やはり長年住み慣れた場所だけあって、
すでに日本の生活に戻っている感じです。

さて、やっとNew Yorkについて振り返ってみることにします。
まず、やっぱり英語が出来るのと出来ないのでは、面白味が全然違う!
ということを実感しました。
1週間程度の観光なら、英語力はほとんど関係ありませんし、
観光場所で英語が出来ることのメリットは対してないと思われます。

しかし、生活しているとなると全然話は別です。
New Yorkでも、DCでも、さまざまな人種がいますし、
普通に生活している人達も多いので、
スーパーやコンビニ、アパートなどでは、
普通に「居住者」と見られるため話す機会も多いです。

相手も、普通に話しかけてくるので、
それに応えられないことが「あー、なんか悪いなぁ」って思っちゃいます。
と、同時に凄く良い機会を逃してしまします。
見た目だけ大人で、頭の中身は幼稚園児のようで非常にジレンマを感じました。
当たり前ですが、床で物乞いをしているホームレスでさえ英語が出来るんです。
「お前、英語が出来るのに何でそんなところに座っているだけなんだ!?」
って、通るたびに心の中で叫んでいました。

日本もそうですが、豊かなところにいると自分の豊かさが
まるっきり分からないようです。
今回、外に出てみて日本の良さが色々と見えましたね。
やはり、比較することで非常に物事が見えてきます。

これは、New Yorkのメトロポリタンミュージアム
+DCのスミソニアン協会の数多くの美術館・博物館を訪れて、
多分、美術品数万点を目にしたと思いますが、
そうして多くの物を見て比較することで、
名画がなぜ名画とされるのか?
なぜ美しいと感じるのか?
僕自身がやってきた写真と絵画、彫刻の比較も膨大に出来ました。
僕自身が撮影してきた人の数は数千人でしょうが、
そこに絵描きの描く人間と彫刻家の創り出した人間、数千を比較することで、
多くの気づき、発見を得ることが出来ました。
日本の美術館に、チョコチョコ行くだけでは全く気がつけなかったと思います。
一気に大量もののを見て、忘れる前に比較できていったことが最大のメリットでした。

僕が見た限りのアメリカと日本の最も大きな違いは、
よく言われることですが「サービス」の違いです。
まず、アメリカにいて「いいサービスだ」と思ったのは、
非常に少なかったですね。ほとんどは「おいおい、そりゃねーだろ」と思うことばかり。
レジにお客が並んでいるのに、店員で話し込んでいたり、
あからさまにめんどくさそうな顔で仕事をしていたり、
適当にぼったくったり・・・
で、日本に戻ってきて日本のサービス最高!って思ったかというと・・・
実は違うんですよー。

まあ、これも分かっていたことですが、
改めて実感したことは、日本のサービスは
「人間っぽくない」てことです。

1ヶ月いて「いいな」と感じたことは、
店員さんが「普通に話しかけてくる」というもの。
「どっからきたの?」「その靴カッコイイね」「どこで買ったの?」「一人で来てるの?」
など、今回は僕が応えられないので、話に発展性がなかったけど、
日本のように「お客が上、店員が下」という考え方はないですね。

ちなみにALIAでも、お客さんとは普通に会話します。撮影時はため口ですし・・・
もらう金額が与えるサービスとの平等交換であるということを前提にしていますから。
さらには、常に与えるサービスをもらう金額よりも多くすることを当然としてますので、
媚び、へつらいは皆無ですね。最後のセリフは「どうぞお帰りください」ですから。

まあ、それはさておき、本当は当たり前の価値の交換が、
日本では「お客様は神様」信仰が行きすぎていて、
ちょっと違和感がありますね。

たとえば昨日。
ランチでホテルのレストランに行きました。
そこは、サラダ・ドリンク・スープは取り放題です。
ただ、お水とフォークなどは持ってきてくれます。

オーダーの後、僕はサラダとスープを取りに行き、
お水も自分で取ろうとしたら、店員さんが「お持ちします」と。
「あとフォークも一緒にお願いします」と伝えて席に着きました。
まあ、最初にお水とフォークなどを出さないといけないのに出してなかったからでしょうが、
持って来るときにもの凄く申し訳なさそうな顔をして「申し訳ございません」って言って置くんです。
こちらとしては、大したことじゃないのに申し訳なさそうにされると、
勝手に「とても悪いことをされた」と思ってしまいます。
コレ、非常に良くない心理を相手に与えているんですよね。

テーブルに食事が運ばれてきたのにもかかわらず、
永遠にフォークが来ないのであれば「ちょっと・・・」って感じもありますが、
そんなときでも「言えばいいじゃん!」で、そんなに支障はないでしょう。

僕が感じたアメリカでは、そんなときは
「Oh!Sorry」でにっこり笑顔ですよ。
そうされると「全然大丈夫だから」って気になります。
なので、全く気にならないのですが、
昨日は、逆にこっちが「悪かったなぁ」なんて思ってしまいます。
あれは、精神的に良くない。

でも、店員をやっているだけだとわからないし、
他店のサービスと自分のサービスを比べることもないかもしれない。
ましてや、同じ文化の中だけで生きていたら、まったく見えないだろうな。
と思ったわけです。

ちなみに、総合評価でいえば日本のサービスは、
きっと、ものすごく良いと思いますが。

続く


美しい彫刻が何十、何百とあります。
360度・至近距離で観察できます。

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