早朝、鳥の声で目を覚ます。
俺が、理想としていた朝がやってきた。
小鳥のさえずり、素晴らしい森の歌声だ。
ベッドから出て、デスクに座ると、すぐそばまで小鳥が来ている。
外に置かれている靴置きのところまで来る。
もう、目と鼻差の先。
ガラスがなければ、手が届きそうだ。
しばらくすると、行っては来て、来ては行くのを繰り返している。
よーく見てみると、何か同じ行動をしている。
さらに、よーく、よーく観察すると、どうも、靴置きにおいてある、ザンバランの登山靴のあたりをうろついている。
外に出て、ザンバランを手にしてみると・・・な、な、何じゃこりゃー。
靴の中が、苔丸けじゃないかー。
どうやら、鳥が巣を作っているようなのだ。
よりによって、ザンバランの中に。
このままでは、ヒナが巣立つまでザンバランを履けなくなってしまう。
ってことで、鳥には悪いが、苔を全て取り除いて、入れないように、ヒノキの切れ端で蓋をしておいた。
しかーし!
今度は、ザンバラんの上にあった、ティンバーランドのショートブーツの中が苔だらけになってるやんけ。
おいおい。
もちろん、鳥くんの努力は、水の泡となって消え去ったのは言うまでもない。
その代わりと言っては何だが、そこの破れたグッチのブーツをおいておいた。
さらに、頑張って運んだ、苔を詰めて、今までの努力を無駄にしないようにしてやった。
靴の値段からしたら、グッチがもっとも高額である。
と言っても、鳥には何の関係もないけども。
ちょっと、ブーツの長さが足りないかな?と思ったけど、仕方がない。
もう一つおまけに、破れた長靴も、その上に置いておいた。
さて、どうなるだろうか?
とりあえず、現役の靴にはやめてもらいたいものである。
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