消防学校に行ってきた

水害対策の土嚢作り、水没車両からの脱出、煙の充満した真っ暗な室内からの脱出、消火栓の放水、もやい結び訓練、おまけで震度7体験。
十分な設備がなければできないことばかりなのだが、きっと、こうした消防学校という場所は、都道府県各所にあるのだろう。
しかし、こうした施設があることも、こうした体験ができることも、ほとんど知られていないのではないだろうか?

施設があることを知っていたとしても、それは、消防士のための施設で、なんの変哲もない一般市民が使える施設だとは思わない。
だが、単なる一市民でも体験ができた。
これは、とても貴重な体験だった。

行政が行なっていることというのは、周知されないために、誰も知らないということが非常に多い。
今回は、砥部町役場から手紙が来て「こんなんありますよー、よかったら参加してね」って感じだったので、色々体験できそうな今日の『訓練(と書いてあった)』に参加した。
これは、防災士の資格を取得したため、手紙が来たのだと思われるが、防災士の資格取得のきっかけは、消防団だ。
でも、きっと、消防団に入らなくても、防災士を取得しなくても誰でも参加できるのだと思う。
ただ、情報を得ることができるかどうか?ということだけが決め手なのだ。

さて、具体的にどんなことをやってきたのか。
まず最初は、土嚢作りなのだが、ちょっとしたコツ。
積み方、口の処理、紐の結び方などなど。
まあ、なかなか、必要となることはないし、必要な時には、きっと忘れてしまって、結局、Youtubeに頼ることになる。

ロープの結び方などもそう。
もやい結びを習ったが、それも、毎日ようにやらなければ忘れてしまうものだ。
ただ、田舎の人たちは、軽トラに荷物を積んで、ロープで留める、通称トラック結びはお手のもののようだった。
僕も、何度もYoutubeで確認して、何度もやったことで覚えることができた。

それよりも、体験が貴重だった。
まずは、車での水没体験。
実際に、車に乗って、水の中に入っていく。

とはいえ、全体が入るわけではなく、水深は60cm。
それでも、まったくドアが開かない。
かなりの力を入れて押し、少しずつ水を車内に入れて、水深差が減ることで、軽くなるが、これが、海のように深い場所に落ちてしまった時には、水圧で全く開かなくなることがわかる。
それに、ゆっくりと水を入れていく余裕の時間もないだろう。

それを考えると、電気がイカレる前に、急いで窓を開けておくか、窓ガラスを割るためのハンマーを車内に用意していくかが必要だ。
しかし、きっと、その時になったら、ハンマーなど探している場合じゃないだろうということは、容易に想像できる。

今回の体験によって、水深60cm程度でも「ドアが開かない」ほどの強い水圧で押されることが、経験として体験することができたことは、とても重要なことだった。

放水もやったが、こちらは、消防団でも体験済みだし、実際に、消火活動でホースの先端を持つことはないだろうから、これはいいとして。
夜の火災で、建物内が煙で充満した中、脱出するという体験。
前は全く見えない、懐中電灯があるが、煙が充満していて、電灯はほとんど役に立たない。
ただ、足元や周辺のほんの数十センチを確認できるだけ。

その中を、壁を触りながら進んでいく。
部屋というのは、壁に伝っていけば、いつか、どこかにたどり着くようになっている。とは、消防士さんから。
右回りか、左回りか決めて、進んでいくとのこと。

これも、非常に貴重な体験だった。
もちろん、煙は本物ではなく、訓練用のたぶん水蒸気だと思うので、吸い込んでも大丈夫なのだが、なるべく吸い込まないように進むとしたら、3分程度が限界だろうと思う。
本当に、真っ暗中で、煙に巻かれたら、相当大変だろうと予測ができた体験だった。

最後に、カリキュラムには入っていなかったが、おまけで、地震体験車による、地震体験をすることができた。

なんと、震度7。
ただ、車のサスペンションなどに振動が吸収されるため、実際よりも揺れは弱いとのこと。
だったのだが、めちゃくちゃ揺れる。
立っていられないのはもちろんだが、とんでもなく揺れ、もう、人間が自力で何かできる状態ではないことがわかった。

震度6強を超えたら、もう、人は、なすすべなく、ただ、成るようになることを受け入れる以外にはない。
自然になど抗えないということを、体を通して経験できたことは、本当に貴重だった。

「習うより慣れろ」と言われるが、まさに、その通りだと感じる一日だった。

-MARK'S LIFE:日常