この山に来る前に住んでいたのは、50平米程度の1LDK。
その中に、これほど多くの荷物があったと感じるのは、やっぱり引越しの時。
そんな荷物たちを、東京からこの山奥に持ってきて、早5年が経とうとしている。
荷物の多くは、未だ段ボールに入ったまま、倉庫に押し込められている。
それなりに、段ボールを開けて、少し使っているものもあるが、それでも、段ボールのままであることには変わりがない。
僕の住む小屋の裏に、プレハブ作りの8畳の倉庫がある。
ここに荷物たちを押し込めているわけなのだが、それにプラスして、服などの日常的に使うものもここにある。
この5年間で、換気扇を取り付けたり、床や壁に防水シートを貼って湿気対策を施したりしてきたのだが、それでも、この倉庫は湿気がこもる。
原因は、崖が近いのと、沢が近いことである。
リバーサイトや海辺の家というのには憧れるが、湿気が問題で、それは、とてつもない労力のいることだと感じるのは、実際に、そこに住んでみないとわからない。
僕も、この山に来てから、湿気との戦いがこれほど凄まじいものだということを実感した。
冬が終わり、夏が近づくと、湿度が急激に上昇する。
最も湿気に悩まされるのは、梅雨のように思えるが、実際には、梅雨よりも秋の長雨の時期がピークになる。
梅雨というのは、確かに雨の日が長く、湿度はかなり高いのだが、それまでの乾燥した大地や木々に、徐々に湿気が溜まっていく時期なので、カビの発生などは、あまりみられない。
そこから、夏になると、確かに湿度は高いが、夏の日差しによって乾燥もする。
そして、夏が終わる頃、木材や布に、たっぷりと梅雨から夏にかけての湿気を吸い込み、秋の長雨を迎えると、カビが一気に発生してくるのである。
でも、今回はカビの話ではなく、ネズミの話
春になると、いろんな奴らが活発に活動を始める。
植物も、動物も、繁殖の時である。
ネズミは、年中繁殖しているイメージがあるが、やはり、春が最も多いのではないだろうか?
暖かい気候になってきて、気分良くなってきた頃に、いやーな臭いに悩まされる。
奥の倉庫の中に、ふんわりと、臭ったのは、しばらく前のこと。
初めは、なんの臭いかわからなかったが、何もないところに臭うというのは、もう大体決まっている。
今なら、カメムシかネズミ、または、ハクビシンか、そこら辺である。
そのうち消えるかと思っていたが、何日経っても一向に消えず、相変わらず臭っていたので、仕方なく掃除することにした。
大規模な大掃除は、防水シートを貼った時以来で、もう3年ほど前のことだ。
中のものを一度、すべて外に出し、臭いの原因を探り当て、除去しなければならない。
幸いにも、臭いの原因はすぐに見つかった。
やはりネズミであった。
ネズミの糞というのは、ほんの少量でも結構強烈に臭う。
良い見方をすれば、それらがあることがすぐにわかり対処することができる点で、悪い見方をすれば、臭くて仕方がないということ。
今までも、ネズミには散々な目に合わされてきた。
奴らは、ほんの小さな隙間に体を押し込んで入って来る。
入ってきても、何かを食べて、そのまま出て行ってくれるのなら、まだいいのだが、やっぱりクソをする。
ただ、実際、ネズミに対して恨み言ばかりでもない
ネズミが侵入するということは、どこかに入れるほどの隙間があるということ、そして、ある程度の時間居座るということは、快適な場所があるということ。
以前は、小さな網戸の穴を広げられて侵入されていた、今回は、天井付近の隙間から入ってきていたのだと思われる。
そして、快適な場所ということは、掃除が長らくされていないということの証だ。
今回は、隙間を埋め、大掃除をして、荷物の整理、さらに、湿気対策のための除湿機の位置の変更、ウォークインクローゼットのように服を吊るしてあるのだが、さらに使いやすく配置換えをした。
そして、ちょうど衣替えの時期、冬物を洗って圧縮袋に収納。
憎たらしいが、こうして大規模にできたことは、ネズミのおかげとも言える。
もちろん、ネズミに会っても、お礼など言わず、ネズミホイホイで捕獲して抹殺してしまうが、、、
倉庫は、もう一つある。
こちらも、臭う。
やらねばならない、やらねば〜