この山に初めて来た時、梅雨真っ只中の7月初旬だった。
そこから、虫との格闘が始まった。
今までのように、夏の厄介者である蚊はいなかったが、都会では見たことがないブヨやアブがいた。
今までは、夏でも虫除けなど使うことはなかったが、山で虫除けは必須だと思い、使ってみたのだが、効き目があるのは、ほんの一日程度という感覚だった。
初日は、虫の方もなんだかわからない匂いがするのか、それまでよりも虫が近づいてくることが少ない感じを受けるのだが、二日目からは、同じ虫だろうと思うが、平気な顔して近寄ってくる。
何種類かの虫除けを試すが、「効いてるー!」と実感できるものはなかった。
そこで、自分で自作してみた。
ネットで、自作の虫除けの作り方を探し、アルコールとグローブとハッカで作ってみた。
自作がいけるんじゃ?と、思ったわけは濃度である。
市販のものが安全面を考慮して濃度が薄いとしたら、自作で濃厚な成分の虫除けを作ってみたらどうか?と、考えたのだ。
ハッカの匂いを嫌がるのなら、ハッカを強烈にしてみたら効き目があるのではないか?なんてことを考えたのだが、結果は散々だった。
まったく効き目なし。
結局、山にいても虫除けを使うことはなくなり、二年目、三年目、四年目と、虫除けを使わずに過ごしてきた。
虫に対する防御措置としては、網戸と蚊帳くらいで、去年からようやく、網帽子をかぶるようになった。
そんなこんなで、今年で五年目の夏を迎える。
そんな中、ふと、目に止まったものがあった。
昨年、ロッキー師匠にもらった虫除けである。
ロッキー師匠というのは、キコリであり、言わば山のプロだ。
これをくれた時、こう言っていたのを思い出した。
「これ、一番効く虫除け」と。
虫除けを信じていない僕は、その時のその言葉は完全にスルーしていた。
それに、虫除けの薬効成分自体、人間にも少なからず害があると思っていたこともある。
しかし、やっぱりウザイ虫どもをなんとかしたいという思いは常にあり、ロッキー師匠の「これ、一番聞く虫除け」という言葉を思い出した。
さらに、少し前に来てくれた、同じキコリのすーさんがこう言っていたことも「虫除けを使うと、最初は虫が寄ってくるけど、そのあとは寄ってこない」と。
二人の山のプロが「虫除けは効く」と断言しているのだ。
これは、どの虫除けでも効くということではなく、虫除け=【スキン ベープ ミスト プレミアム】のことを指しているに違いない。
虫除けそれぞれの成分を調べてみると、やはり薬効成分の配合量が、この【スキン ベープ ミスト プレミアム】が圧倒的に多い。
それが、山の大量のしつこい虫たちに効いているのだと確信した。
ってことで、今年は、この【スキン ベープ ミスト プレミアム】を振りかけてみている。
数日間試してみると・・・なんか効いてる気がする。
ただし、効くだけあって、副作用もある。
皮膚についたり、吸い込んだり、目に入ったりするのは、やっぱりかなり良くないらしい。
元々、ベトナム戦争かなんかで、軍用の虫除けとして開発された【ディート】という成分。
体に悪いので、濃度が30%以下に制限されているのだが、制限しても三倍かければ同じことだろ?とも思うのだが。
まあ、それはいいとして、僕の場合は、肌に直接かけることはほぼないので、この辺はあまり心配ない。
長袖、長ズボン、手袋、頭タオル、網ぼうしと全身を覆っている。
全身を覆っていれば虫は大丈夫だろう?と思うかもしれないが、あいつらは、生地が薄めで、肌に密着していている場合、服の上から刺してくるし、手首など、小さな隙間を見つけて、その部分を刺してくるので、厄介なのである。
これからは、本格的にアブの季節である。
アブが近寄って来ないかどうか?見ものである。
P.S
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