注目の町、徳島県神山町に行ってきた

先日、全国的にも有名らしい徳島県神山町に行ってきた。
ここは、市街地から遠く離れた過疎の村っぽいところだったらしいが、「サンサンのクラウドサービス」ってCMを流していた会社SanSanがサテライトオフィスを作ったことから、IT企業がこぞって、この神山町にサテライトオフィスを構えたことで、オシャレなお店が増えて、注目される村になったようだ。

僕は、そんなことは全く知らず、山友たちが用事で神山町へ行くというので、一緒について行った。
ランチのために行ったお店の外観を見たら「あれ、ここ先日なんかの番組で見たなぁ」ってところだった。
『LIFE夢の形』だったか、何かで取り上げられていた【かま屋】という食堂だった。

テレビで見た時は、ものすごいど田舎なのに、お客さんがパンパンに入っていて、遠くからもわざわざ来ているという印象だったが、この食堂だけを目当てに来るのではなく、神山町にどんどん出来ているオシャレなお店を目当てに来るという感じだ。

ランチの種類は一種類だけ。
ワンプレートに盛り付けられた、ごはん、メイン、サラダ、スープ、小鉢、これで、約1,800円也。
素材はちゃんとしたものを使っているし、どれもこれも美味しい。
なので、1,800円が特別高いという印象はなかったが、打倒だとも思えなかったのは事実である。
でも、素材や美味しさを妥協して、価格を下げるのは、まったく意味のないことだろうから、これは、これでありだと思った。
食堂の横には、パン屋が建てられてあり、どちらも、かなりのスタッフの数がいるところを見ると、やはり相当、お客さんが来るのだとわかる。

ランチを食べた後、コーヒーを飲みたいと思って、オシャレそうなコーヒー屋さんに行ったが、そこは、豆を売っているだけだった。
「コーヒーは、かま屋さんで飲んでください」とのこと。
かま屋で出しているコーヒーが、ここのコーヒーなのだ。

ちなみに、コーヒーやデザートをかま屋で頼めば、ランチで一人前3,000円を超える。
そう考えると、ちょっと高過ぎる印象がある。
最初に注文するときに、スタッフが、しきりにデザートやドリンクを勧めてくるのだが、そうされると、どうにも気分が良くない。
なので、逆に頼まなかったが、コーヒーは飲み損ねてしまった。

神山町には、他にもカフェがあるというので、お勧めされたカフェへ向かった。
お店の店構えは、THE喫茶店。
こちらは、新しいお店ではなく、昔からあったであろう雰囲気の喫茶店だった。
確かに、コーヒーは美味しかったが、雰囲気は、古い感じで、あまり居心地の良い場所ではなかった。

神山町が盛り上がっているというと、昔からそこにいる人たちも、新しい移住者も盛り上がっているのかと思えるが、実際、一日だけ行ってみて感じたのは、新しい移住者たちのおかげで、外から観光客がたくさん来ているということ。
確かに、雇用は増えているのだろうけど、観光客が行くのは、移住者たちが作った店ばかりである。
喫茶店だけではない、昔から営業していそうな他の店にも足を運んだが、やっぱり、昔ながらっぽく、湿っぽい感じがして心地が良くなかった。

昔からその地にいて、外の世界を知らない人たちは、外の世界の人たちのことを知らないで、外の世界の人たちを客として迎えている。
しかし、都会から移り住んできた連中は、雑多な世界で多様な人々を見てきて、いろんな文化を知っている中で、店を作り上げている。
だからこそ、たくさんの外の人々に選ばれ、親しまれ、たくさんの買い物をしてもらえるのだろう。

同じような商品を作っていて、同じような食事を提供しているのだが、店構えも、接客も、考えかたも、言葉遣いも違うのである。
喫茶店は、確かにコーヒーは美味しかった。
しかし、それ以外は厳しい、神山町を次回訪れることがあっても、そこに行くことはない。
結局、ど田舎に住んでいるけど、都会人の作ったお店にしか行かないだろう。

僕自身も、この山に来て四年が経とうとしているが、実際、田舎に馴染めているわけではない。
というか、田舎に馴染もうとしていないのも事実である。

僕が、この地に来て、一人の田舎者になっても、町になんのメリットもない。
しかし、僕が、この地にどっぷりと馴染まずに、二十年間の都会生活を生かす方向で行動を起こせば、この砥部町を第二の神山町のようにできる自信はある。
この街は、すぐ隣に五十万人都市の松山市がある。
そのことからも、お客さんの数には困らない。

いつか、やるかもしれないし、何もしないかもしれないけど。

-DRIVE:ドライブ, LUNCH:ランチ, MARK'S LIFE:日常