花火が上がる

夜、19:30過ぎ。
何か、ドンドン、ドンドン、と音が聞こえる。
何かを叩く音なのか?何かがぶつかる?弾ける?なんなのだろう?
そう思い、外に出てみると、花火が上がっていた。

しばらく前から、ゴルフ練習場の明かりを見ないようにするためにカーテンを取り付けてあるため、夜に外の様子がわからない。
そのため、花火の光が見えていなかった。

ここに来て、もう直ぐ4年になるが、この山から、こんな風に花火を眺めるのは初めてだ。
さすがに、花火の光に比べれば、ゴルフ練習場の光など些細なものだ。

人類は、夜の闇の中でも、光を灯し、それを自在に操り、昼間と同じような明るさを手に入れた。
時には、人を楽しませ、時には、人を苦しめる。
光だけではなく、人間が発明してきたものは、すべて、人に喜びを与えつつ、その一歩で、同じものが人を苦しめてきた。

これらは、すべて、どう扱うかによって決まる。
花火は、人を楽しませる。
人に喜んでもらいたいという気持ちから作られ、打ち上げられる。

しかし、一方で、私利私欲にまみれた者たちが同じものを扱えば、それは、人を苦しめるものとなる。
アインシュタインをはじめ、多くの科学者が必死に発明した原子力は、人々の生活を向上させた一方で、大量殺戮兵器となり、この世界で最も危険な技術となってしまった。

僕が思うのは、原子力という力を、世界のほとんどの人々が理解できていない。
そのため、単に危険なものという認識になってしまっている。
そして、原子力を扱う側も、一般人が理解不可能なため、単に安全だと言い張るしかなかったのかもしれないと思っている。

車だって、相当危険なものだと思う。
走っている車に当たれば死ぬし、排ガスも毒ガスと同様である。
それでも、利便性の高さゆえ、今の今まで技術革新が繰り返され、現在の安全性能を手にしてきた。

原子力は、多くの人々が電気という恩恵を受けているにもかかわらず、身近には感じられず、ただ、危険な面ばかりが強調される。
死者数でいけば、どう考えても交通事故死者の方が圧倒的に多いと思う。

日本では、毎年、約3,000人が交通事故で死亡している。
かたや、原発での死者数は、チェルノブイリで4,000人と言われ、福島では、600人だとのこと。
これを思えば、現代においても、車やバイクの方が圧倒的に危険なものであることは確実なのだが、そうは言われないことが不思議で仕方がない。

これは、単にインパクトの問題だけのように思えてしまう。
もちろん、原発事故が起きれば、その周辺は人が住めなくなるし、放射能は風に乗って広い地域を汚染する。
それでも、やっぱり、交通事故の方が危険であるという認識は変わらない。

飛行機事故も、墜落して乗客乗員のほとんどが死亡し、一気に数百人が死に追いやられれば、飛行機は危険!原因究明されなければ安全を確保できないと騒ぐが、その間にも、それ以上の人々が交通事故で死亡している。

不思議すぎる。

まあ、でも、理解はできる。
毎日の交通事故を報道してもあまり視聴率は取れないが、ドッカーン!と一気に数百人が死ぬ事故が起これば、報道のしがいもあるというものだから、そればかりを、危険危険と繰り返し報道したくなるのは当然だ。
そして、それを、毎日毎日眺めている一般市民たちは、報道の内容に思考を支配され、報道をされていることを鵜呑みにして、それを間違っているとも、他のことと比較することもなく、煽られたら、煽られるままに、キュウカンチョウのように同じことを、家庭内やご近所で繰り返す。

僕からしたら滑稽にしか見えない。

原発事故で亡くなった人のことを考えていないとか、原発事故で住む場所を追われた人のことを思ったことがあるのかー!なんてことを言われそうだが、逆に、この日本だけでも、交通事故で、毎日10人が亡くなっているが、そうした人たちを、毎日、2時間に一回、考えるのだろうか?
気持ちを察して車に乗り込むというのだろうか?

ほとんどの人は、そんなことは何も考えることなくハンドルを握っている。
逆に、僕は、車が殺人兵器だと常々感じている。
まあ、殺人兵器になり得そうな車に乗っているということもあるけど、それでも、高速道路や民家のないワインディング以外では、一般車よりも随分とゆっくり走っているのだ。

ちなみに、僕は、原子力賛成である。
どんどん、優秀な技術者が原子力技術に尽力し、安全性を高めた原子力装置を開発して欲しいと思っている。

そして、核融合も成功させ、安全性を高め、小型化して、各家庭に一台の核融合炉発電機が設置されるといいし、乗り物も核融合装置で動くといいし、そこまでいけば、飛行機も宇宙船もエネルギーが最小限で済むんじゃないかな?
で、最終的には、UFOも出来るんじゃないかと思うと、ちょっぴりワクワクするのである。
でも、それまでの間に、何度か事故が起きて、何万人かが死亡するかもしれないけど、それでも、交通事故死者数よりも少ないと思うんだけどね。

花火の話題から、原発とか交通事故の話になってしまったが、どんなものでも、人の役に立つ部分もあるし、負の部分もあるというわけなのである。

-MARK'S BRAIN:思考, MARK'S LIFE:日常, MOUNTAIN LIFE:山暮らし