デカ枯れ松を薪にする

松がどんどん枯れる。
松山という地名が、すでに過去のものとなっている。
昔は、山一面が松だったようなのだが、今では、チョビチョビとしか生えていない。
しかも、そんなチョビチョビの松でさえ、どんどん枯れている。

僕が、三年半前に、この地に来た時から、もう、何本もの、松の大木が枯れていった。
倒しても、倒しても、次から次へとどんどん枯れていく。

昔は、松が枯れたらすぐに倒して割って、薪にしたらしいが、電気やガスなどが普及し、国産の木材が売れなくなったことで、山は放置されていき、枯れ松を切り倒すことがなくなってしまった。
それによって、松食い虫(虫なのか?菌なのか?)が、松をたいらげて卵を産みどんどん増えて、周辺の松も食い荒らすという具合に広がっていったらしい。
僕のところも、松食い虫がたくさんいるんだろうなぁ。

なんとか頑張って、松の大木を切り倒して、なんとか張り切って輪切りにして薪にするのだが、これがとんでもなくデカくて重い。
なので、薪の生産効率が悪い!
さらに、松は松やにたっぷりのため、薪にして燃やすと良く燃えるのはいいが、燃やし方がチョロいと松脂の油でベトベトになってしまうのである。
そんなわけで、とんでもなくデカイのに、小さく割らないと使い物にならないという欠点がある。

まずは、長さ40cmの輪切りにするのだが、輪切りになった後でも、重すぎて運べないので、ゴロゴロと転がしていく。
どっちかというと、100kgある薪割り機の方がタイヤがついている分、移動しやすいので、薪割り機を松の輪切りの近くに移動する。

そこから、ほんの10cmだが、薪割り機の板の上に乗せるのが、これまたしんどい。
気合を入れて、パワー全開で10cm持ち上げ、板の上に乗せるのだが、乗せただけでは板が小さすぎて、すぐに転げ落ちてしまう。
そんなわけで、輪切りを支えながら、薪割り機の油圧レバーを下に下げる。

ゆっくりと刃が降りてきて、輪切りに当たれば一安心。
そのまま、刃をゆっくりと入れていくと「バッカーーーン!」という音と共に真っ二つに割れる。

とりあえず、少しは軽くなったけど、それでも重い奴らを次々に、薪割り機に乗せて割っていく。
半日やって、薪が出来るのは、輪切り四つあたりが限界である。
時間の限界もあるが、筋力が限界である。

翌日は、全身筋肉痛に見舞われるが、松を一本処理するのに二、三日では、到底無理。
四、五日と言うところだろうが、毎日出来るものじゃない。
こんなのが、まだまだ、ゴロゴロとしているし、杉やヒノキの大木も倒したまま、ほったらかしなのが何本もある。

とっととやって終わらせたいのだが、コロナ騒ぎで、薪割りにきてくれる人が極端に少ないので、なかなか、昨年のようにはかどらないのだ。

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