焼肉『水本』ランチやってた

焼肉水本は、砥部町にある焼肉屋。
消防団の慰労会で行ったことをきっかけに知った。

僕は、積極的に肉を食べないし、夜、外食するということはほとんどないので、焼肉屋さんには縁がない。
そんな僕でも、消防団の慰労会で何度も使われるので、僕の愛媛生活の中で、もっと良く行く外食の店の一つとなっている。

そんな水本は、国道沿いにあるので、閉まっている日中に横を通り過ぎるのであるが、ある時『ランチやってます』という昇りが掲げられているのを発見した。
「あれっ?営業、夜だけだったのを、ランチも始めたのかな?」

昨年春からのコロナ騒ぎで、消防の活動も軒並み中止となっているので、慰労会もなく、水本にも行っていなかった。
他のイベントや、単なる飲み会なんかも、きっと中止が多くて、夜のお客さんは、やっぱり減っているのだろう。

何度か通り過ぎるたびに、ランチメニューの看板を探すが、看板は出ていない。
「う〜ん、やっているのだろうけど、本当に、やっているのか、若干不安になる」

それに、焼肉というのは、セットメニューというものが基本的にない。
ランチやっていると書かれていても、夜と同じメニューだったら、一人では、頼みにくいし、そんなにたくさん食べたいわけじゃない。
単に「昼間も営業してます」というだけだったら、どうしよう?
そんな不安があったが、とりあえず、行ってみることにした。

お店のある建物の一階は駐車場で、二階が店舗になっているので、上を見上げる。
電気はついている。
「やってるな」

駐車場には、他のお客さんの車は停まっていない。
誰も、お客さんいないのかな?
「まあ、いい、それでも、一回行ってみなきゃ」
ってことで、階段を登り二階へ上がった。

いつも、消防の慰労会では『焼肉食べ放題コース&飲み放題コース』だったのだが、二階上がった入り口に『食べ放題コース終了のお知らせ』と書いてあった。
「ありゃりゃ」
食べ放題コースは、採算が厳しかったのだろうけど、今まであった最大のメリットがなくなってしまうことを思うと、利用する側も店の選定に渋くなってしまうのではないかと懸念した。

それはさておき、店に入る。
それなりに広い店内に、お客さんは、一組二名のみ。
なかなか、厳しいな。

ランチメニューが置かれている。
「よかった、ランチのセットメニューがある」
メニューを見ると、焼肉ランチが税別で1,300円
まあ、僕は、ほとんど外食しないので、たまのランチに税別1,300円(税込1,430円)というのは、気にしないけど、肉体労働の男たちがランチをするには、ちと高いかな?

まずは、定番の焼肉ランチを頼む。
内容は、お肉が六種類、ご飯、わかめスープ、サラダ、小鉢、キムチ、アイスクリームという具合だ。
肉が来ると、量は少ないが、大きな角皿に綺麗に盛り付けられている。

肉の味は上々。
少ないながらも、いい肉を出しているようだ。

味はいい、値段も、味からすれば文句はないだろう。
ただ、僕が、こうした店で、ランチをする時、嫌だと思うものの一つに【テレビ】がある。

大概、安い定食屋なんかに入ると、テレビが点いている。
安い定食屋には、肉体労働のおじさんたちが集っているので、テレビは必須アイテムなのだろうが、1,500円のランチを愉しむようなお店で、焼肉という大衆向けの食べ物とはいえ、テレビの音は耳障りだった。

先日、Air Pods Proの話で、耳の聞こえが良くなったというか、雑音がうるさく感じるようになったという話を書いたが、こうしたテレビの音も、頭にザーザーと響いてきて厳しかった。

やっぱり、焼肉屋は【ジャズ】だろう。
なんか、僕の中で、焼肉屋で流れている音楽は【ジャズ】という、根拠のない理屈がある。
きっと、どこかの焼肉屋でジャズが流れていて、店の雰囲気もよく、焼肉も美味しく、それにジャズが合っていたから記憶に残っているのだろうと思うが、なんとなく、焼肉のこってりとした感じと、ジャズの波長が合うような気がするのだ。

帰り際、店主と話をしたが、その時「女性のお客さんが来てくれている」ということを聞いた。
肉体労働の男たちが相手だと思っていたので、料金が高めだというところに意識が行き、テレビのことは仕方がないと思っていたが、女性客で1,500円以上するのなら、やっぱり、テレビはダメだろう。
せっかく、店主と話をしたのに、テレビのことは言い逃してしまった。
やっぱ、ジャズだなぁ。

僕も会社を経営しているが、自分の会社のことや自分自身のことというのは、なかなかわからない。
しかし、一歩下がって、外から見ることができる、他人の会社や店というのは、内情を良く知らないということも功を奏し、良いところやダメなところが良く見える。
それは、自分が『顧客』であるということも大きい。
自分が顧客として快適かどうか?代金を支払うのに気持ちよく商品やサービスと代金を交換できるか?というところを基準にできるので、良く見えるものなのだ。

店主と話をしたときに、僕が、ランチのメニュー看板が無いことを不安に思ったことを話した。
そのうち、メニュー看板を、外に出すだろうか?
きっと、国道を通り過ぎる人たちも、メニュー看板を見つけようとしているのではないかと思う。
それも、時速60kmで走りながら、内容を把握できなければならない。

そして、そんな人たちが求めるのが、たとえ料金が1,500円でも、山盛りのご飯とお肉を、昼間に腹いっぱい食べることだろうけど、そうしたメニューはなく、店主曰く、肉の質は落とせないとのことだったので、肉体労働の男たちがこぞって行くようなことにはならなそうである。

まあ、そう簡単ではなさそうだが、女性客が焼肉を愉しみにランチに来ることを前提とするならば、現時点の改善点は、やはり、テレビだろう。
次回、ジャズになっていたらいいなぁ。

-LUNCH:ランチ, MARK'S LIFE:日常