ヤギ、エクスタシー

興奮すると、上唇を上げ、首を目一杯伸ばしてエクスタシーを表現する。
本来であれば、メスヤギの匂いでエクスタシーを感じるのだろうけど、ヤギは自分しかいないので、自分のおしっこを舐めて、エクスタシーしている。
要するにオナッテルということなのだろう。

最近、OPERAは、やたらと寂しがる。
原因は、繋いでいるからだろう。

フリーだったときは、好きな時に、好きな場所へ勝手に行っていたので、OPERAが一人になっても寂しがるなんてことはなかったし、寂しがって近づいてくるということもなかったのだが、繋がれていて自由に動けないとなると、不安が倍増するようで、一人になって、僕やFANが見えなくなると、叫ぶように鳴く。
その声は、

「行かないで〜」
「僕も連れてって〜」
「一人にしないで〜」
「うわ〜ん」

と、こんな調子である。

OPERAの年齢からすると、人換算で18、19歳あたりで、本来であれば、一人で平気なのだろうけど、OPERAは、元来、性格的に寂しがり屋の傾向がある。
きっと、大家族の中で生まれ、大家族の中で育ったことに端を発するのではないかと思う。
そこから、たった一人引き離され、ほとんど僕しかいない山の中へ連れてこられてしまったのだから、そりゃ、寂しいだろう。

だからこそ、通常であれば、とっても凶暴化するオスヤギも、OPERAも場合は、あまり凶暴になってない。
まあ、人に頭突いたり、押したり、威嚇したりするけど、本来のオスヤギの凶暴さには程遠いものがある。
頭突かれる人にとってみれば凶暴に感じるが、一応、これでも優しいオスヤギなのだ。

そんなわけで、最近は、FANと一緒に居させている。
二匹とも自由の身だった時でも、大概は、二匹一緒にいたので、やっぱり、二匹一緒がいいのだろう。

ただ、ほんの少し面倒もある。
やはり、ヤギと犬では、習性が違う。
ヤギは、適当な草むらに繋いでおけばいいが、犬は、散歩するために長い距離を歩いたり、エサをやるために一旦、僕の住む小屋の方へ連れてこないといけない。

ヤギも一緒に連れていけばいいと思うが、OPERAをあっちこっち連れ回すのは、力が強すぎて大変なので、OPERAは、草を食べさせる場所へ直行させたい。
その際、ヤギと犬を離すことになってしまう。
すると、前述したとおり、OPERAが、わんわんと泣き叫ぶのだ。

この面倒を解決するためには、もう一つの方法しかないと考えた。
それは、もう、ずいぶんの前のことになったが、CHARの代わりとなる、メスヤギを連れてくるしかない。

CHARが行方不明になってから、ちょうど半年。
再び、OPERAに嫁さんを連れてきてやろうかどうか検討中である。

-ANIMAL:動物, MARK'S LIFE:日常