春がそこまで来ている、か。

山を降りたところにある梅の木が、花を咲かせていた。
梅の花は2月という、最も冷える時期に咲く。
ただ、それは、もう直ぐ春が来ることの証。

『夜明け前が最も暗い』

というが、冬の寒さも、この2月、春がもうそこまで来ている頃が、最も寒い。
このところ、最低気温が0度程度、天気予報でも、まだしばらくは、このくらいの気温が続く見込みらしい。

人生の岐路に立つときも、同じことが言える。
困難を乗り越えることができる寸前が最も辛く、「もうダメかもしれない、、、限界だ」と感じる。
その頃が、突破できるほんの少し前であり、兆しでもある。
限界を感じる時というのは、沈みゆく過程を終え、一番底にだとりついた時なのだ。

そこは、真っ暗で、何もなく、冷たく、地獄の底のように感じる。
その感じは、きっと正しい。

だが、沈み込んだと思っていたものは、季節と同様に、ただ、クルクルと回っていただけなのかもしれない。
冬が来たら、春が来ると決まっているものなのだ。
地球だって、まっすぐ走れば、そのうち元の場所に戻ってくる。

太陽系の星々も同じ、きっと、宇宙の果てに飛び出して行っても同じことなのだろう。
この世界は、グルグルと回っているものなのだ。

『人生は螺旋階段のよう』

という事なのだ。
一周回ってきたときに、全く同じ場所にたどり着くのではなく、そこは、一段上がった場所にたどり着く。
確実に、レベルアップしている証拠なのだ。
だから「もうダメだ、限界だ」と思うことを経験するたびに、人間としてのレベルが上がっていると考えるのがいい。

僕は、人生の中で、何度も「もうダメだ、、、」と思ったことがある。
仕事でも、プライベートでも。

でも、なんとかもがいていると、いつの間にか抜け出している。
それを何度か経験した時にわかった「意外と、本当の限界は遠いかもしれない」と。
結局、何度も「もう限界だ」と思いながらも、いまだに生きている。
それも、状況的に悪くない状態、いや、逆に、とても良くなっている。

本当に限界が来る時というのは、「もうダメだ」ではなく「もうやめよう」「もう諦めよう」と思って、もがくのをやめてしまった時なのだ。

春夏秋冬、冬の次は春が来る事は誰でも知っている。
この2月の寒さがいつまでも続く事はなく、3月になれば寒さは和らぐことを誰もが知っている。
だから、2月の極寒も耐えられる。

知っているか、知らないか?

ただ、それだけの違いで、大きな差になる。
僕は、若い頃から何度も経験して知っている。

若い人たちは、特に経験の少なさから諦めがちになるかもしれない。
歳を取っていても、限界を感じる経験が少なければ、限界を感じたときに諦めてしまうかもしれない。
逆に、経験が浅いまま歳を取る方が、限界を感じたときに弱いか?

『可愛い子には旅をさせろ』

単なることわざ化しているこの言葉は、人生においてとても重要な教訓なのかもしれない。

『獅子は我が子を千尋の谷に落とす』

若い頃の苦しい経験は、大人になってからの助けになる。
冬は終わり春が来る。
必ず。
そして、人生も。

-MARK'S BRAIN:思考, MARK'S LIFE:日常, NATURE:自然, RPG人生