最近の車は、、、

先日、国道を走っていたら、前にBMWが走っていた。
信号待ちで止まった時、後ろのエンブレムに「320i」と書かれていることに気がついた。

「えっ? “ 3 ” ?」

どう見ても、僕には、“ 5 ”シリーズの大きさにしか見えなかった。
横に並んでいる小型車と比較しても、遥かにデカイ。
昔の3は、小型車よりも、ほんのりと大きい程度だったのに、いつの間にか巨大化していた。
3は小型、5は中型、7は大型というラインナップだとは思うが、すでに3が中型の5と同じくらいではないだろうか?

デカくなっているは、BMWだけではなく、車という車のほとんど全てが大きくなっているし、高額になっている。
そのためなのか、日本国内で数十年前に軽自動車の比率が2割だったものが、現在は、6割になっているとのことだ。

多くの人たちが、小さい車で良いと思っているのに、小さい車が少なくなり、逆に、軽自動車は定められた規格の中から出られないため、装備類は充実するも大きさはそのまま、さらに、室内空間が工夫されて広くなりながらも、耐衝撃性能は上がっている。
昔の「軽はボロ」のような印象は、現在に至っては、まったくない。
さらに、ほとんどの車種がターボ付きで、660ccのノソノソとした走りともおさらばしていて、ビュンビュンと飛ばせすこともできる車になっている。
こうなると「軽でいいじゃん」と思う人たちが多くなっても当然のことだと思える。

若者の車離れは、若者のせいか?

さらに、魅力的な車が減った。
「若者の車離れ」なんて言われるけど、正直言って、魅力的な欲しくなる車など、ほとんど世に出ていない。
さらに、日本の若者が買える値段ではなくなっていることも理由にある。
やたら高額なお金を支払って、大して欲しくもない車を買うはずがないのだ。

若者が憧れる代名詞といえば、スポーツカーだが、昔は、カッコ良くて、速くて、安かった。
それが今では、速くてかっこいい車は、とんでもなく高額で手が届かず、安い車はかっこ悪い。

一昔前の、ランサーエボリューションやインプレッサなどは、かっこ悪かったけど、めちゃ速かった。
それに、スカイラインGT-Rなどもそうだが、セダンタイプの箱型というのは、カッコは良くないが、実用的で、セカンドカーを持つ必要がなく、人も荷物も乗せられて、尚且つ、圧倒的に速い。
その当時でも、GT-Rは高くて買うには厳しかったけど、ランエボやインプあたりは手が届いた。
もう少し、財布に優しいところの速いスポーツカーは、いくらでもあり、若者たちが、車に興味を示していく要素は多かった。

それが、今では、手が届く魅力的な、速いスポーツカーといえば、スバルBRZとトヨタ86くらいで、それでも、正直なところ、18歳〜20代前半の若者が買える値段ではないし、正直、デカイ。
それ以外では、軽のホンダS660も候補に入るかもしれないが、実際には、速くもないし、安くもないのだ。

そんなわけで、若者が車離れしているのではなく、車メーカーが若者向けに作っていないというのが現実のところ。
唯一、何とか手が届いて、速くはないけど、スタイリングはそれなりに良くて、小さめで、楽しい車といえば、マツダ ロードスターである。

今、日本で、若者が新車で魅力的なスポーツカーを買おうと考えたら、ロードスターくらいしか選択肢がない。
外車を含めても、今の時代、安くて速くてかっこいいスポーツカーは存在しない。
外車が現地では、お手頃価格だったとしても、日本に入ってくる時点で、かなり上乗せされてしまうので、結局、手が届かない金額になってしまう。

高級スポーツカー全盛時代

かっこいいスポーツカーとなると、とても手の届かない価格になる。
そんな車は、実は、たくさんある。
ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、マセラッティ、アストンマーチン、ブガッティ、ゾンダ、、、
スタイリングや速さを競って、世界中で新しい車が発売されているのだ。

安くて、速くて、かっこいい車を開発するよりも、一台数千万円の車を少数売った方が、楽に稼げるのだろう。
それに、金持ちは、どんどん買い換えるから、どんどん新しい車を出していけば、どんどん売れる。
新しいと言っても、古いタイプと共通しているところは多いだろうから、開発費にはさほど多くはかからず、リスクが低く収益は大きい。
そうなると、安くて、速くて、カッコいい車を開発するなど馬鹿らしいと思うのも当然かもしれない。

世界の車は、完全にSUVにシフトしている。
SUVと言っても、本格的なオフロード車など、ほとんどの人たちは求めていない。
なんちゃってで十分なのである。

99%は、舗装道路を走るだけで、もしかしたら、雪とか、未舗装道路とか走るかも?くらいで、オフロード性能など求めてはいない。
実際、本格的なオフロードの走破性を持つ車の中で、手が届くような価格なのは、スズキ ジムニーだけである。

そう考えると、ロードスターかジムニーしか選択肢がないということになってしまうが、実際、本当にそうなのだ。

日本メーカーに、見捨てられた日本人

今や、日本の車メーカーは、基本的に、日本国内など相手にはしていない。
日本メーカーでありながら、日本人のために作っているのは、軽自動車くらいなもので、あとは、ほとんどが北米市場向けである。
実際、バブル後の、この30年間、日本人は貧乏になった。
その反面、北米は、コンスタントに成長を続けており、30年で、1.5倍の開きがついたのだ。
日本人の350万円が、北米では500万円なのだから、わざわざ儲からない日本、貧乏な日本人を相手にして商売することはないと考えてもおかしくはない。

さらに、販売する台数も、日本国内よりも、北米の方が圧倒的に多い。
高い車が売れないアジア諸国でも、中国やインドなどなら数が売れる。
そのため、安い車はアジア向け、高い車は北米向けに開発するのは、当然の結果となるのである。

金持ちは、どんどん金持ちになり、貧富の差は大きくなるばかりである。
高級車の価格は、かなり上がっている。
少し前まで、フェラーリの価格帯は2000万円台だったのだが、今や4000万円台になっている。
ランボルギーニもそうだ。
それでも、変わりなく売れ続けるのだから、金持ちは、2000万円だろうが、4000万円だろうが大差ないという人が多いのだろう。

金銭価格として、年収500万円の人と、年収5億円の人では、100倍違う。
そう思うと、2000万円は20万円、4000万円は40万円というくらいの差なのだ。
まあ、差がないわけではないだろうが、買えない額ではないということだろうな。

結局、ポルシェ

こんな世界の車事情の中で、世界的に、ぐんぐんと売上と台数を伸ばしているのがポルシェである。
他のメーカーが倍程度の価格設定になっているにもかかわらず、ポルシェは、それほど高額になっていない。

さらに、30年前は、高級車として遠い存在だったが、今では、ボクスターやケイマン、マカンという1000万円以下のライナップが充実している。
それでいて、カッコもよければ、速いし、ちゃんとポルシェしている。
売れないはずはないと思えるような車を出してきているのだ。

1000万円以下の速いスポーツカーは結構あるが、そのくらいの価格帯になると、購入するのは、20代の若者ではない。
どんなに若くても30代後半からというところだろう。
そうなると、単に速いとかカッコいいとかではなく、安全性、安定性、快適性も考慮すべき点となる。
そうなると、やはり、ポルシェが圧倒的である。

1000万円出すのなら、国産でも?と思うが、国産スポーツの代表格であるGT-RもNSXも、すでに1000万円では買えない。
ポルシェの方が安くて、トータルバランス的に優れていることを考えれば、GT-RやNSXという選択肢はない。

EV化で、どうなっていくのか?

今後の車は、全車EV化ということが世界中で言われている。
その発端は、温室効果ガスを減らすため、化石燃料の消費を減らしましょう!というところから始まっている。
しかし、走っている時は、化石燃料を使わないが、作るのには、化石燃料を大量に消費するらしい。

最も、石油を使って作られるのがバッテリーだそうだ。
バッテリー改革が行われない限り、現在のEVはちっともエコではなく、ガソリン車と比べると11万キロを超えたあたりで、初めて、EVの方が化石燃料の消費が少ないと言えるレベルになるようである。
日本の場合は、10万キロで廃車にしてしまうということを続けていると、結局、EVを作れば作るほど化石燃料を、今まで以上に消費するということになるとのことなのだ。

それでも、作り続け、新しいバッテリーの開発を進めていかなければならない。
革新的なバッテリーが登場すれば、EVが大きく変わる。

そうなった時、昔のように、速くて、安くて、カッコいいスポーツカーが登場してくるかもしれない。
高速道路が120km/hなり、走りやすくなったとはいえ、スポーツカーのアクセルを踏み込むような場所は公道にはないのは承知の通りだ。
だが、今のままではなく、若者が憧れる車業界になって欲しいと、スポーツカーに乗っている一人の日本人として切に願うのである。

-MARK'S BRAIN:思考, MARK'S LIFE:日常, VEHICLE:車