タイタニック(1997年:アメリカ)

15年ぶりにタイタニックを見た。

15年前に、ものすごく話題になっていて、
その、話題性につられて「1回は見ておかないと」と思い、見たことを思い出す。

その時は、正直言って「あんまりおもしろくないなぁ」という感想だった。

あれから15年経ち、先日のScent of a Womanの20年ぶりもそうだが、
15年の歳月は、ものの見方を変えただろうか?
そんなことを思い、見ることにした。

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見終わった感想は、15年前と同じだった。

ただ、先週行った伊勢神宮の水行を思い出しただけだった。
さすがに、極寒の海の中では数時間もいれば死んでしまうよな。
五十鈴川でも、何時間は無理だろうな。

なんてことを思ったくらいだった。
なんでだろうか?

あんなに多くの人を感動させた映画なのに、
まったく感動もしなければ、いい映画だとも思えない。

理由の一つは、主人公の2人だけがうまくいきすぎる。
というのがある。

アメリカ映画の特徴の一つだが、
主人公は、どんなに弾丸飛んできても当たることがない。
その代わり、敵には適当に打っても当たる。

いくらなんでも、それは・・・

マトリックスみたいに、身体能力の高さで除けてるとかなら分かるけど、
ただ走っているだけで、上から飛行機の機関銃で撃たれても当たらないんだからしらける。

そんな、非現実的なシーンが多いのが、
きっと、僕は「おもしろくない」と思ってしまうんだろうな。

1997年の映画で、セブン(Se7en)という映画があるが、
僕は、この映画を見たときに、とてもドキドキしたことを覚えている。

猟奇連続殺人の映画で、現実にありそうもない事件なのに、
「もしかしたら、自分の身の周りでも起こるかもしれない・・・そして自分にも」と、
思わせるような作りだった。

そんなわけで、15年後のタイタニックの感想は、
15年経っても同じだったけど、
タイタニックが沈むときの現実のエピソードである

「楽団員達は、最後まで音楽を弾き続けた」

このことが、数年前に琵琶奏者の人と話をしたときのことを思い出させた。

彼は、「人が窮地に陥ったとき、僕たち芸術家は無力だ」と言った。
僕は、それを否定した。
「本当に窮地に陥ったとき、人を救うのは芸術です」と。

「なぜか?」と聞く彼にこう答えた。
「窮地に陥ったとき、人を救うというのは肉体を救うことではなく、心を救うことだからです。
 食べ物や飲み物で身体を救えますが、芸術は心を救うことが出来ます。」と、言ったことを思い出す。

僕自身の仕事も、写真という一種芸術に携わっている。
写真は、1年前の震災以降、人にとって最も大切な物の1つだということを思い出させた。
家族の写真は、多くの人の心の支えになっただろう。

と、そんなことを思い出した。
そういう意味では、見て良かったかな。

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