ユンボ のフロントガラスを破壊

早速やってしまった。
フェラーバンチャーザウルスロボは、すくう・つかむ・まわす・切る、と4つの機能があるが、つかんで回せるとなると危険が伴うことが一つ。
丸太を横につかんだはいいが、それを回すと縦になる。
そのとき、人の乗るキャビンに当たってしまう可能性がある。

そうした事故を防ぐために、林業用のユンボには、鉄の格子が付けられているのが一般的なのだが、格子があると見えにくくなるため、僕は、あえて付けなかった。
事故が起こったときに、重篤になることを防ぐよりも、最初から事故が起こらないような仕組みにしておいた方が良いと考えているのだ。
それは、他人がどうこういうことではなく、自分自身が、自分の得意なことと不得意なこと、どういった時にミスをするのか?どういう場面では事故率が多いか、または少ないかを分析することで答えを出している。

その一つが、ユンボのフロントに鉄の格子はつけないことだったり、危険だと自分で認識しない限りヘルメットをかぶらない。
両方とも、作業の邪魔になるし、そのことで事故につながるほんの一瞬のミスを誘発する。
もちろん、こうした事は、人を雇ったり、誰かにやってもらう場合は別で、その際は、ヘルメットを被ってもらうし、ユンボにも鉄格子をつける。
あくまでも、自分が自分のことを分析した上で選択していることなのだ。

とはいえ、フロントガラスを破壊してしまった。
原因は、縦につかんだ丸太が、キャビンのフロントに激突したせいである。
集中力を欠いたことで起こった事故だ。

この山に来て4年半。
思い返せば、いろんな事故をやらかしてきた。
一番最初に思い出すのは、来たばかりの頃、まったく慣れていない山道で、車はカレヤン(Porcshe911)しかなく、宅急便を受け取りに麓まで行かなければならないとなった際に、油断して道の脇に車輪を落としてしまったことだ。

まさか、道が、途中で、なんの予告もなく狭くなっているとは思いもよらなかった。
今までの人生の中で、そんな道を走ったのは初めてだ。

ただ原因は、道が途中で狭くなっていることではなく、僕自身が『道はある』と勝手に思い込んでいたせいなのだ。
そのため、集中力を欠いていた。
それからは、もちろん、山道を何十回、何百回と走っても、集中力を欠いて呑気に走った事はない。

同様に、いろんなミスや事故を起こしてきたが、一度、起こしたことを二度とやる事はない。
これは、どんなに教えられようが、誰かに口すっぱく言われようが、怒られようが、何をしようが、歴史からは学べない。
こうした事は、実際に経験し、体験し、感じなければわからないものだ。

この4年半で、ことごとく体感してきた。

今回のフロントガラス破壊事件においても、知識としては分かってはいたが、実際に経験した事で、どんな状況で、何をしたら、どんな結果になるのかが、本当の意味でわかった。
頭で理解したのではなく、体が理解したという感じ。
今回は、上下に別れているフロントガラスのちょうど真ん中、鉄の部分に当たった。

激突ではなく、軽く当たった程度で、上のガラスだけが割れた。
もちろん、軽くとは言っても、人間に当たれば大怪我必至だが。

今回のことを受けて、鉄格子をつけようとは思ってはいない。(ちょっとは、ビビって「つけようかなぁ」という思いもあるが、、、)
前述したが、見えにくくなって邪魔だからである。
それよりも、丸太を縦につかんでいる時は、とんでもなく気をつけて集中しなければならないということ。

林業系の作業というのは、最も、死亡率が高い仕事だ。
そのことを、また一つ身をもって実感した出来事だった。

-HOW TO:方法, MACHINE:機械, MARK'S BRAIN:思考, ユンボ(クボちゃん)