披露宴に列席する方達に配る席次表。
そこには、テーブルのどこに誰が座るかが書いてある。
用途としては、来てくれた人たちが、自分の席がどこなのかを確かめるためにあることと、他の人たちが誰なのかを知ることが出来るものでもある。
しかし、その中に書かれているのは、氏名と新郎新婦との繋がりが簡易的に書かれているだけで、詳しい情報などはない。
正直、新郎新婦の間でも、相手の親戚や友人のことを、事前に把握している人はいないだろうし、当日も、紹介されても、すぐに忘れてしまうし、どんな人なのか、一人一人説明を受ける時間もない。
せっかく来て頂いたのに、ほとんど、記憶に残らないで終わってしまっている。
そこで、自分たちだけの席次表を作ることをオススメする。
事前に、席次表の中に、その人達の特徴を記載しておいて、当日、持っていれば、列席者のテーブルを回っていくときに、相手の親戚や友人の名前はもちろん、特徴やエピソードなどを軽く交えて話すことが出来る。
例えば、新郎叔父の太郎さんが漁師だと知っていれば、新婦は「太郎さん、漁師なんですね?ぜひ、おいしいお魚、食べさせて下さい!」とでも言えば、悪い気はしないだろう。
新婦友人の花子さんは、学生時代、一緒に吹奏楽部に居たなんていう情報が分かっていれば、新郎は「花子さんのことを聞きましたよ。吹奏楽の時には、本当にお世話になったって」なんて会話が出来る。
列席者のことを、全部覚えるなんて、普通は無理だ。
しかし、ほんの少しでも、相手のことを知っている、というか書いておいて、テーブルに赴く前にちらっと見るだけでも、まったく、新郎新婦への印象が変わる。
「テーブルをまわっている途中で、虎の巻なんて見れないよ」と思ったら、高砂で、各テーブルの中で、いじる相手を決めておけばいい。
さらには、新郎親戚のことで、新婦がうまく思い出せなかったら、「ほら、漁師の太郎さんだよ」と、助け船を出せばいい。
で、「あー、彼から聞いてます。今度、ぜひ・・・」と、話を続ければいい。
まったく事前情報がない中で、「この人は、次郎さんと言って、大工さんなんだよ」と、当日聞かされても、なかなか、いいリアクションは出来ないだろう。
ある程度、事前に特徴を把握し、話す内容を軽くシュミレーションしておくことをオススメする。
遠い親戚で、新郎新婦が、全く知らない方の場合は、両親などに、多少の情報をもらっておこう。
遠い親戚は、実際、結婚式かお葬式でしか顔を合わせることはない。
そう思うと、軽くやり過ごそうと考える人がいるが、それは、逆だ。
遠い親戚に、いい印象を持ってもらえれば、その後、長い間、ずーといい印象だと言うこと。
逆に、良くない印象を持たれてしまえば、何十年もの間、悪い印象のままになってしまう。
遠い親戚は、高砂にもなかなか来てもらえないし、来たとしても、それが誰だか分からず、「おめでとう」「ありがとうございます」「お幸せに」で、終わってしまう。
これでは、来た方は、特に面白いこともなく、とりあえず親戚なので出席した程度で終わってしまう。
だから、遠い親戚こそ、披露宴では、新郎新婦から積極的に足を運び、その人達の特徴を交えたエピソードを、1つ2つ話をして、「来て良かった」と思ってもらえるようにしたい。
列席者のほとんどは、「来て良かった」と思う一番の要因が、「新郎新婦と話が出来た」ということだ。
さらに、新郎新婦が覚えていてくれた、知っていてくれた、笑ってくれた、自分たちから来てくれた、他の人以上に優しく、気遣ってくれた。
そんなことが、最も嬉しいし、新郎新婦の印象もいい。
結婚式・披露宴の準備に追われ、そんなことをやっている時間は、なかなか取れないかもしれない。
しかし、披露宴の料理がいかにおいしかろうと、新郎新婦がいかにステキにドレスアップしてようと、余興がいかに楽しかろうと、新郎新婦とのふれあい以上の楽しみと喜びはないと、心に刻んで欲しい。
特に、遠慮がちにしている、遠い親戚の皆さんは大切にしてください。
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