昨夜「空気人形」という映画を観た。
タイトルから連想すると、人形というのが若干ホラーっぽい感じがする。
そこに空気という単語が入ると、いきなりチープな風船的なイメージになる。
この映画、予告編を見たことで、本編を観てみようと思ったのだが、予告編において、何がどうよかったのかは、まったく記憶にない。
ただ、予告を見た時点で、タイトルを記録しておくだけなのだ。
そして、忘れた頃に本編を観る。
この映画の主人公は、タイトル同様「空気人形」である。
男性諸君は「ダッチワイフ」と言えば簡単にイメージがつくだろう。
なんとも、奇想天外なダッチワイフの映画なのだ。
かと言って18禁などではない。
役者とか監督とか、そう言ったものなどは気にせずに映画を観るのだが、この映画、見終わってからそこらへんのことを調べてみたら、話題の是枝監督の作品であった。
う〜ん、やっぱり是枝監督(って、名前しか知らないけど)才能あるな。
この映画、ダッチワイフなのに、すごくいい。
内容がいい。
誰も喧嘩せず、怒りもせず、もちろん殺しもなく(いや、勘違いでそうなってしまう場面はあるが重要ではない)日常の穏やかな一コマ(と言っても、ダッチが歩いたり、喋ったりするので非日常だけど)を切り取っただけの映画なのに、三回もウルっときた。
本当に、ここ十年くらい日本映画のレベルが高い。
逆に、ハリウッド映画のほとんどはつまらなく思えてきた。
誰かが死んで悲しいのは当たり前で、そのことによって「泣ける映画」というカテゴリーに入ることが、昔から非常に違和感があった。
だから、僕は、誰も死なない映画が好きだ。
さらに、誰も怒らないのがいい。
喜びや楽しさが表現されるのはとてもいいが、怒りや憎しみによって感情を大きく表現し、観るものの感情をも揺さぶろうとするのは、安易な手法だと感じてしまうのだ。
だから、ごく普通にありそうな日常で、ググッときてしまう映画というのが好きだ。
そんな映画の一つが、この不思議な映画「空気人形」であった。
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