消防団:中継訓練

昨日は、消防団の訓練だったゾ

僕も、消防団に入団して1年以上が経過した。
「消防団入らへん?」「いいよ」の2つ返事で入った消防団だが、何かしら地域の活動に参加しなければ、地元の人たちと出会うことも少なく、なんとなく孤立した感じになってしまうところだっただろう。
なんせ、最近では特に、山を降りることが少なくなってるので、何日も、誰にも合わないという日々が続くのだ。

消防団の集まりは、2ヶ月に1度程度なので、あまり多くないはないが、無いよりいいし、あまり頻繁にあるのも困るので、1-2ヶ月に1回程度というのが、いいペースだと感じている。

中継訓練

今回の訓練は「中継訓練」といって、ポンプで水を汲み、何本ものホースを繋いで、その途中でもポンプをつないで水圧を維持させ、ずっと遠くまで水を運んで放水するという訓練だ。

ホースの長さは、1本あたり20m。
それを、10本程度繋いで200mほど先で放水する訓練を行う。

都会なら、あらゆるところに水道管が通っており、中継するにしても大した長さは要らないかもしれないが、田舎では、そうはいかない。
水道管が通っていないところでは、溜池やダム、川などから水を引く必要がある。
そのための訓練なのだ。

消防団の所有する消防車には、どうやら2種類あるようで、一つはポンプが車にくっついているポンプ車。もう一つは、ポンプを積み込んで移動することができるようになっている消防車だ。
僕の所属する第8分団は、後者のタイプ。

昨年は、ポンプがオーバーヒート

昨年の訓練では、水を汲み上げる際、ポンプに圧力がかからずオーバーヒートしてしまうという事態になった。

その原因となったポンプの所にいたのは、僕たちの分団。
当然、僕もそこにいた。
しかし、その時は、初めてポンプを見た僕には、何が何だかサッパリ意味不明だったので、今年、その原因と機械の仕組みを聞いてみた。

「確か、ポンプの下の方のレバーがなんちゃらだったなぁ」
それだけの記憶を頼りに、ポンプの下を覗いてみると、レバーが3つある。
書いてある文字を見ると「水抜き」となっている。

要するに、水抜きが開いた状態(水が抜ける状態)になっていて、ポンプに圧力がかからなかったというわけだ。
しかし、今からでは検証のしようがないが、水抜き栓が開いていたのなら、そこから水が出てわかるような気がするのだが・・・
そう思ったが、もしも、ほんの少しだけ開いていただけだったとしたら、周りは水浸しなのだから、なかなか気付きようがなかったかもしれない。

そう思うと「閉め忘れ」でなくても、きっちりと最後まで締め切っていなかったら同じように原因不明の事態になることはある。

訓練では、失敗することこそ重要

今年の訓練では、何事もなく終わった。
しかし、いつも、訓練でうまくいくというのは、あまり意味を成さないかもしれない。
成功することよりも、昨年のように「失敗すること」こそが、訓練で必要なことだろうと思う。

もしも、本番で、昨年と同じような事態になった時。
それは、消火することが出来ないという、あってはならない大事態になってしまう。
代わりのポンプを用意したとしても、消火の遅れは、人命の損失に直結するのだ。

だが、昨年の失敗があったからこそ、少なくとも僕は、今年、原因を究明し、詳しい人に聞いて、そのことを理解することが出来た。
もしも、次に「圧力が上がらない!」「水を吸い上げられない!」という事態が起きた時、そのことを思い出し、水抜き栓(ドレイン)の確認をするだろう。

単に言葉だけで「圧力がかからない時は、水抜き栓を確認しましょう!」などと説明されたとしても、そんなことは、1年もすれば忘れるし、ましてや、冷静さを欠く本番では、まったく気がつくことが出来なかったと思うのだ。

主催者は、ワザとトラップを仕掛ける

消防団だけではなく、一般の消防訓練でも、避難訓練でも、どんな訓練でも、成功することよりも、失敗から学ぶことは大切だ。
しかし、失敗というのは、思いのほか起きないものである。

そこで、主催者側は、ワザとトラップを仕掛けるということも大事だろうと思う。
単に、意地悪な、ありえないトラップでは、これまた意味を成さないが、知識と経験が豊富な主催者であれば、自分自身が失敗したことも多数経験しているだろうから、それを、他の人たちが経験できるようにしてあげればいい。

実際、昨年のオーバーヒートは、分団ごとに役目を交代し、何度か行うものであったが、一発目から、問題が発生したわけではなかった。

一度、うまくいったあと、すべてのポンプを停止させ、交代し、再始動した時に起こった出来事だ。
実は、停止させた時に、消防団員ではなく、消防署員が行なっていた。

消防団員であれば、次も始動させるわけなので、水抜き栓まではいじらないだろう。
そのため、一度、使ったあとなのだから、始動させて調整すればOK!だという頭がある。「他の部分には、何の問題もない」と、思ってしまうのだ。
しかし、消防署員は、ポンプを完全停止状態にしていた。
それは、日々訓練に明け暮れている、訓練なるものの意味をよく理解していた、消防署員だったからこその対応だったと思う。

消防署員は、ワザとトラップを仕掛けたわけではないが、結果的に、トラップのようになり、原因不明で解決できないという事態になった。
そして、そのことを学ぶことが出来たのだ。

僕も、人生失敗だらけである

「失敗は成功のもと」とは言うが、正直なところ、失敗などしたくはない。
できることなら、すべて順調に成功に成功を重ね、うまくいってほしいと思っている。

しかし、自分の意識を超えたところでは「失敗することで、成功の喜びは何倍にもなる」と言うことを知っていて、実は、それなりの失敗を望んでいるのかもしれない。
意識と無意識の葛藤である。

現実を見てみると、僕自身、失敗だらけだ。
わざわざ数える必要もなく、失敗の方が上回っている。
だが、素晴らしいバッターでも、打率は3割程度。7割は失敗していると言うことになる。

そう思うと、どんなに失敗が多くても、結果、成功すると思えてくる。
そして、僕は、わかっている。
どんなことでも、必ずうまくいくってことを。

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